女優の中谷美紀さんもハマっているのがアシュタンガヨガということで、注目されているヨガです。中谷さんは「インド旅行記」という本を4冊も出版し、インドにも1か月以上滞在するなど、本格的なはまりようです。
ここではそのアシュタンガヨガの魅力とメリットをまとめました。
アシュタンガヨガとは
動きが激しく、エクササイズの効果も高いヨガをまとめて、「陽ヨガ」と呼ぶことがあります。その陽ヨガの中でも人気の高いのが「アシュタンガヨガ」です。
アシュタンガヨガの歴史
アシュタンガヨガはハタヨガが元になっています。とはいえ、ハタヨガからはかなり変化しています。
アシュタンガヨガを大成したのは、インドのシュリ・K・パタビジョイス (1915-2009)です。
長年ヨガの修行を積んだ後、1948年にインド南部のマイソール地方に「アシュタンガヨガ・リサーチ・インスティテューション」を設立し、ヨガを教え始めました。
1960年代ごろからアシュタンガヨガが海外にも知られるようになり、70年代にはパタビジョイスも欧米との間を行き来するようになります。90年代に始まったアメリカでのヨガブームの火付け役の一人です。
日本ではやや遅れて、アシュタンガヨガは、2000年代に入ってから広がり始めました。
「アシュタンガ」とは
アシュタンガ(アシュターンガ)とは、日本語では「八支則」、または「八部門」「八階梯」「八段階」とも訳されます。
ヨガの根本となる経典「パタンジャリ ヨガスートラ」にも記されている8つの則(のり)を順番に実践していきます。
アシュタンガヨガの順番・流れ
1.ヤマ(禁戒)=日常の生活でしてはいけない5つの心得
2.ニヤマ(勧戒)=「逆にするとよい」とされる5つの心得
3.アサーナ(座法)=ヨガポーズ
4.プラナヤマ(調気)=呼吸法
5.プラティヤハラ(制感)=感覚のコントロール
6.ダラナ(凝念)=集中力
7.ディヤナ(瞑想)=雑念がなく、無に近い状態
8.サマディ (三昧)=悟りに達し、至福の喜びの世界
一般的に「ヨガ」というイメージされるのは、これらのうちのアーサナでしょう。
順番が決まっている
アシュタンガヨガは、マントラ(祈り)や太陽の礼拝から始まり、
立位のアーサナ、
座位のアーサナ、
逆転のアーサナと進み、
フィニッシングに至ります。
動画で学ぶ
美しすぎるヨガマスター吉川めい 魅せる上級ポーズの数々
美しすぎる太陽礼拝A&B|アシュタンガヨガ
この順番は自分で勝手に決めるようなものではありません。
それぞれの動きも、細かく決まっています。
例えば、太陽の礼拝でも単に拝むのではなく、ポーズ、その順番、呼吸法にルールがあります。これひとつでも十分にエクササイズの要素を持っています。
呼吸・視線・腹筋の特徴
4番めに、「プラナヤマ(調気)」があることからもわかるように、アシュタンガヨガでは呼吸法も大事です。
ウジャイ呼吸
基本となるのは、「ウジャイ呼吸」です。別名を「勝利の呼吸」といいます。
ポイントは吸うときも吐くときも、ノドや鼻の奥の期間部分を細くするようなイメージにすることです。こうやって、空気の圧力を高めます。そして鼻から思いっきり吸って吐き出します。吸う・吐くの時間は同じぐらいです。
体に入ってくる空気が温まっていますので、全身が温まります。
視線は一点集中です。集中力を保つのに必要です。視線が安定しないのは心が安定しないからです。逆に視線が安定すれば、集中力も高まります。
腹筋の使い方にも特徴があります。アーサナをとっている間は、下腹部を思い切り引っ込め、皮や筋肉を背骨に近づけた状態を保ちます。おしりの周りの括約筋も意識してしっかりと締めます。
これは体の中のエネルギーをコントロールするために必要とされています。
アシュタンガヨガのポーズ
アシュタンガヨガはシークエンスが厳密に決まっていて、それを順々にこなします。
太陽の礼拝から始まり、スタンディングのポーズを数種類、メインのポーズを数種類、フィニッシングのポーズを数種類といったように進みます。
太陽の礼拝
アシュタンガヨガのアーサナの中でも、その中にアシュタンガヨガのほとんどが入っていて、最もイメージを決定づけているのが、太陽の礼拝です。シークエンスの中で最初に行い、準備体操のような役割も持っています。
「AとB」、または「ⅠとⅡ」といったように、Ⅱ種類が知られています。
ここではまだしも簡単な方を、ざっと紹介しておきます。
a.最初にリラックスした状態で直立します。両手は下におろしておきます。
b.息を吸いながら、両手を左右に広げながら上に上げ、最後は一番高いところで両方の手のひらを合わせます。目線は最後、親指を見つめ、上向きになります……この動作をしながら息は吸います。
c.立ったまま前屈します……息は吐きながらです。
d.ここから両手は少し前に出すだけで、床につけたまま、顔は上げ、背中をそらします……息は吸いながらです。
e.両手を床につけた状態で、足だけをジャンプさせます……息は吸いながらです。
f.ブランク姿勢。腕立て伏せの腕をやや曲げたような状態です……eからfは一連の動作にして、息は吐きながらやります。
g.上体そらし。腕はまっすぐ下して重みを支え、足の甲で下半身を支えます。床には手のひらと足の甲しかついていません。……息は吸いながらやります
h.腰の部分を直角に曲げ、手のひらと足の裏だけを床につけます……この姿勢のまま、吸うと吐くを5セット繰り返します。
i.再びEと同じ動作の「手をついたまま足だけジャンプ」をします……ただし今度は息を吸いながらです。
J.再びdの「両手をつけたままの上体そらし」をやります……息は吸います。
K.再びcの「立ったまま前屈」です……息は吐きます。
l.再びbの「立った状態ので伸び」をやります……息は吸います。
m.lの状態から静かに息を吐きながら腕の下し、最初のリラックスして直立した状態に戻ります。
このように、「ひとつの動作で、ひとつの呼吸」が基本です。
また、ほかのヨガにないアシュタンガヨガの特徴として、胸式呼吸を行います。ほかのヨガは腹式呼吸が基本なのです。
また、もう一つの太陽の礼拝の方はより動作が増えます。
アシュタンガヨガの効果
アシュタンガヨガは有酸素運動としても優秀なエクササイズになります。「体を動かして、リフレッシュした」「ストレスが解消した」といった実感も持てます。
もちろん、ダイエット効果(痩身効果)も高く、しっかりと体脂肪を消費してくれます。
初心者でもでも大丈夫?
ただし、初心者にはあまりおすすめできません。ハードなので、最初にくじけてしまう可能性も高いです。
半面、「ほかのヨガも経験したけども、エクササイズとしてもの足りない」という人にはおすすめできます。アスリート系の男性の期待にもこたえることができます。
もちろんステップを踏むことで、女性にも十分こなすことはできます。
アシュタンガヨガのレッスンを受ける場合の注意
ヨガの中級者・上級者向け
アシュタンガヨガは呼吸や動きの決まり事が多い上、その動きも激しいです。
ヨガスタジオなどで、「初心者向けアシュタンガヨガ」となっていても、これは「ヨガ自体が初心者」ではなく、あくまで「アシュタンガヨガに関しては初心者」ぐらいに考えておいたほうがいいでしょう。
それを承知しておいた上で、ヨガスタジオ(ヨガ教室)を探すようにしましょう。
大都市ならほとんどのところにあります。また、「いずれアシュタンガヨガもやりたいけれど、まだ早いかもしれない」と思っている人は、ハタヨガなど初心者でもやりやすい種類のヨガも一緒に教えているところがおすすめです。
どんなヨガも、毎日実践することで効果がいっそう大きくなります。あまり最初からハードルを上げすぎないほうがいいでしょう。
マイソールとは
「レッドクラスとマイソールクラスの2つが用意されている」という点も、アシュタンガヨガの大きな特徴です。
レッドクラスではインストラクターがアーサナの種類などやるべきことの指示を出し、全員それにしたがって、同じ動きをします。「ほかの種類のヨガスタジでのやっているのとほぼスタイル」と考えておけばいいでしょう。
もう一方のマイソールクラスは「自習形式のレッスン」「自主練習」と呼ばれることも多いです。ですが、自習に近い状態になるのは中級者・上級者の場合です。この場合でも、横には先生役のインストラクターがいるのが普通です。疑問などがあれば声をかけて指導を受けることができます。
アシュタンガヨガをまだあまり知らない場合、このマイソールクラスを積極的に利用するのがおすすめです。まだできないことを一つ一つマスターしながら、自分のペースで進めることができます。
アシュタンガヨガのおすすめスタジオ
zen place yoga(旧ヨガプラス)
全国に19店舗。
zen place yogaのヨガは、アシュタンガヨガがベースになっています。
ドゥミ・ルネサンス
アシュタンガヨガ75分のレッスンがあります。