「体が柔らかくなって通常よりもポーズが取りやすい」「汗がしっかりと流せる」といった理由でホットヨガが大人気です。

その一方で、ホットヨガにはなじめない人もいます。

「頭痛がする」という声は多いです。特に偏頭痛の形で出ることが多いようです。

それにともなって、吐き気やめまいまでする場合があります。しかし、本当に問題のある頭痛と、大きな問題ではなくしばらく続ければ解消する頭痛があります。

ホットヨガで頭痛がするんだけど・・・

原因

ホットヨガで頭痛がする原因には、

(1)常温のヨガならならない・なりにくいが、ホットヨガなのでなってしまう、

(2)ホットヨガでなくてもヨガならそうなる、

の2種類があります。

常温のヨガで頭痛の原因になりそうなものには、まず好転反応があります。

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または、あまりに熱中しすぎて単に体が悲鳴を上げているだけの場合もあります。

ホットヨガでももちろん、これらの理由で頭痛になることはあります。

それに加え、熱中症や、脱水症状もよくある原因です。高温・多湿の環境で行うのがホットヨガのセールスポイントなので、脱水症状になる率は常温のヨガよりもはるかに高いです。

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対策

対策はもちろん、その原因に合わせて考えます。

それがわかるまでは、無理には続けないほうがいいでしょう。もし、常温のヨガでは大丈夫なら、しばらくの間はそちらに変更して続けましょう。

脱水症状からくる頭痛の場合

単に水分が不足するだけではなく、汗と一緒にミネラル類を失っている可能性も高いです。

レッスンの最中であっても、ワキにボトルを用意するなどして、常に水分が取れる状態にしておきましょう。

水道水などよりも硬度が高めのミネラルウオーターがいいでしょう。

また、しっかり水分を取っているつもりでも吸収が追いつかない場合もあります。この場合は、ポカリスエットなど吸収が早いスポーツ飲料を選んでおくのがいいでしょう。この種のスポーツ飲料ならミネラル類も配合されていることが多いです。

ホットヨガで頭痛を予防するには?

事前に水分補給

水分補給はレッスンが始める前から始めましょう。始まる前に、少なくともコップ1杯程度は飲んでおきましょう。

もちろん、身体の調子がよくないときはレッスンをお休みすることも大事です。直前の判断なら、キャンセルが効かずにレッスン料が無駄になってしまう場合もあるものの、健康と美容のためにはマイナスです。しっかりと割り切りましょう。

呼吸

また、レッスン中は呼吸が浅くなっていないかチェックしましょう。これはポーズと取っている最中はもちろん、その合間も同様です。

ホットヨガはもちろん、高温・多湿の中で行います。その場にいるだけでも呼吸が浅くなってしまいがちです。

換気

それに加え、この環境を保つために換気もあまりしないことが多いです。これも呼吸の質を下げてしまいます。いつもと同じようなつもりでいると、しっかりと酸素が取れていないことになります。酸欠状態というわけです。これも頭痛の原因です。ことさらに意識して深い呼吸をするようにしましょう。

ヨガのあと、頭痛がするんだけど・・・

ホットヨガのレッスンが済んで数時間たった、またはその日はレッスンに行っていないといったときでも頭痛がすることもあります。

この場合は、好転反応や体調不良を疑ってみていいでしょう。

ホットヨガの好転反応で頭痛がするの?

好転反応は常温のヨガでも見られます。

ただし、高温・多湿の環境で行うホットヨガのほうが効果が高くなる分、好転反応も強めに出ることが多いようです。

・好転反応とは

好転反応はもともと東洋医学、特に漢方薬で見られる現象です。

たとえばアレルギー性皮膚炎を治すために漢方薬をのんだのに、前よりもひどくなったといったことがしばしば起こります。しかし、これは改善に向かうためのステップのひとつなのです。漢方薬の作用により、体が有害物質や老廃物を排出しようとし始めます。

しかし、まずは体内にこびりつくようにして存在している有害物質などを動かす必要があります。漢方薬の作用で、有害物質が体の中を動くようになり、頭痛・下痢・発熱・吐き気などさまざまな症状が出ます。ちょうど、水の底にたまったヘドロをかき回したような状況を思い浮かべればいいでしょう。これが好転反応です。

有害物質は肝臓に運ばれて分解されてやがて尿や便に混じって排出されます。または、汗などでそのまま排出される分もあるでしょう。漢方薬の場合、数日もたてば頭痛などの症状は収まり、やがてその後はもともと解消を狙っていたトラブルも改善するのです。

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・ホットヨガの場合の好転反応

常温のヨガやホットヨガを行うと、筋肉や腱が軟らかくなります。この中を通っている血管やリンパ管も柔軟性を取り戻し、流れがよくなります。

こびりつくような感じで存在していた有害物質もその場から動きやすくなり、血液やリンパ液で一気に運ばれていくようになります。

一時的に体の中を流れる有害物質の量が増えます。あとは漢方薬の場合と同じと考えていいでしょう。

漢方薬の場合は数日で好転反応が治まることが多いのに対し、ヨガの場合は長期化することもあります。数週間という場合もあるでしょう。

本当にヨガによる好転反応なら、ほとんど心配はありません。レッスンも過激にならない程度に続けて大丈夫です。

体調不良

好転反応ではなく、本当に体調が悪くなって頭痛がしているかもしれません。

①熱中症

高温多湿の環境は、真夏の炎天下に近いものがあります。そのため、深部体温が上がって、さまざまな体の不調が現れる可能性があります。

めまい、吐き気、だるさ

頭痛も熱中症の症状の一つですが、この場合は頭痛薬を飲むのは避けましょう。

頭痛薬(解熱鎮痛薬)は、急性腎障害になりやすくなることが分かっています。腎臓の血管を収縮させて血液の流れる量を減らす作用があり、熱中症のときは脱水症状になっていて、腎臓にマイナスの影響がでます。

頭痛薬ではなく、塩分補給を心がけましょう。

②自律神経が乱れた

他の原因が、「気温・湿度の差が激しくて、変化に体がついていかない」です。

スタジオによって違いはありますが、室温40度・湿度65パーセントといった環境でポーズを取ります。特に北国ではない土地でも、冬は気温が10度かそれ以下、空気も乾燥していることが多いでしょう。スタジオに入るだけでも、体がびっくりするのは仕方のないところです。レッスンが終わればもう一度体はその気温と湿度に合わせなければいけません。そのため、自律神経を乱してしまいがちなのです。

自分に合ったヨガやペースを選ぼう

ホットヨガに通い始めたときは、週に1回ぐらいから始めたほうがいいでしょう。回数を増やすのなら、「体が慣れてきた」「自分は体質的に気温差・湿度差に強いようだ」と分かってからです。

気温・湿度の差になれるかどうかは、個人差が大きいです。また、同じ人でも年齢によって変わることがあります。どうしても調子がよくならないのなら、常温のヨガにするか、ホットヨガでも気温・湿度を抑えているスタジオを選ぶようにしましょう。

中にはヒーターなどで加熱するスタジオではなく、岩盤浴ヨガなら大丈夫といった人もいます。ホットヨガにこだわる人には価値は高いでしょう。体験レッスンなどをうまく利用して、チェックしてみましょう。

ダウンドッグのポーズは、頭痛がしやすい?

特に頭痛のしやすいポーズというのがあります。例えばダウンドッグのポーズです。

これに限らず、頭が下になって血液が流れ込むようなポーズはいずれも頭痛になりやすいと考えたほうがいいでしょう。脳の中に血液が流れ込んでしまうのです。

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ホットヨガで頭痛改善することもある

また、肩こりや首の張りを重点的に治すようなポーズも頭痛が起きやすいです。

牛面のポーズがこの典型です。

肩や首の筋肉はそのまま側頭部までつながっています。肩の筋肉をほぐそうとすれば、ほぼ自動的に側頭部や目の奥の筋肉も影響を受けます。

ただし、これはむしろ歓迎したほうがいい症状でしょう。というのは、好転反応である可能性も高いからです。「肩こりや目の疲れからくる頭痛も改善する」ということです。肩周りの筋肉の柔軟性が増せば、いつのまにか頭痛もなくなっているはずです。

まとめ

こうやって見ていくと、ホットヨガによる頭痛にも本当にトラブルになっているものと、むしろ歓迎できるものとがあるのがわかるでしょう。

自分での見極めはなかなか難しいでしょう。ちょっとでもおかしいと思ったら、まずはインストラクターに相談しましょう。また、こういったときに頼りにできるインストラクターがいるスタジオを選んでおかなければいけません。

また、ホットヨガによる危険信号は頭痛だけではありません。動悸(どうき)が激しくなる・息が苦しいがするなどです。こういった症状にも警戒するようにしましょう。


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