ヨガは近年、若い女性の間で大ブームとなっています。中でもホットヨガは、ダイエットやスタイルアップに効果的なのだとか。けれども、それってホントなの?と疑問に感じる方もいますよね。

今回はホットヨガについての疑問を調査しました。水泳などの運動や、食事量などとも徹底比較。ホットヨガを習いたいという女性にも必見です。

通常のヨガとはどう違う?ホットヨガとは

ホットヨガは、ヒーターや岩盤を使用した環境でするヨガのことです。身体を温めて行うことで、短時間での代謝アップが期待できます。高温多湿の中で行うため、発汗量は通常のヨガに比べて多いです。

そのようなことから、体内の水分を放出する作用があると言います。浮腫みに悩む人や、発汗量の少ない「冷え性」の女性にも効果的と言えるでしょう。

また、すぐに身体が暖かくなるので、柔軟性が上がるとされています。身体が硬いという人でも、ホットヨガはおすすめです。

一方、ヨガは「身体の感覚を味わう」には適した方法となっています。ヨガは元々、精神を養う修行という側面があるからです。ヨガは身体の歪みを取り、心をリラックスさせるとも言われています。精神的な疲労が溜まっているという女性は取り入れると良いかもしれません。

このように、自分の希望する目的によって選択することが大切。ダイエットが目的であれば発汗量が多く、代謝アップが可能なホットヨガが良いでしょう。

ホットヨガの1時間の消費カロリー、他のスポーツと比較!

ホットヨガをダイエット目的に利用するのであれば、その消費カロリーも気になるところ。一般的にヨガは、他のスポーツよりも消費カロリーが低い傾向にあります。

体重55kgの女性を例に、消費カロリーを計算してみましょう。この場合、

ホットヨガの1時間当たりの消費カロリーは、約330kcal。

他のスポーツの1時間当たりの消費カロリーは

・水泳の平泳ぎで約550、
・水泳のクロールで約1044kcalです。
・ジョギングは474kcal程度、
・テニスであれば350kcal前後

となっています。

ホットヨガはテニスよりも若干少ないという印象ですよね。

このようにカロリー表記にすると「ホットヨガはダイエットにならないのでは?」と思いがちです。けれども、1時間ずっと泳ぎ続けることは、経験者でない限り難しいのではないでしょうか。ホットヨガの教室では1時間みっちり行う場合が少なくないようです。
つまり、1回60分コースであれば、おおよそ330kcalを消費できるようになっています。

他のヨガとの比較

ヨガで消費するカロリー量は具体的に数字を挙げているサイトも見かけるものの、どこが出したデータか明示されていることは全くといっていいぐらいありません。

数少ない例外が米・ハーバード大学医学大学院(Harvard Medical School)の「3種類の体重別30分間のカロリー消費量(Calories burned in 30 minutes for people of three di erent weights)」です。

ヨガを含めていくつかピックアップしてみましょう。単位はキロカロリーで、順に体重が125パウンド(約57キロ)、155パウンド(約70キロ)、185パウンド(約85キロ)の場合です。

・ストレッチ・ハタヨガ
90、149、178

・ウオーキング(3.5mph≒時速5.6キロメートル)
120、149、178

・一般的な水泳
180、223、266

・軽めのエアロビクス
165、205、244

・一般的なテニス
210、260、311

スポーツとの比較ではもちろん、エクササイズ類に比べて消費カロリーは少なめなことがわかるでしょう。

また、ハーバードのデータにあるハタヨガとは、ポーズを取るヨガ全体のことをいいます。その中にいくつもの流派が含まれています。あとは、流派ごとに「一般的なヨガと比べて、ハードかライトか」で推定していくことになります。

パワーヨガの消費カロリー

いくつもの流派のレッスンを用意しているスタジオのほとんどが、「最もハード」「汗かき度ナンバーワン」とするのがパワーヨガです。

筋トレに近いポーズも取ります。ハタヨガ全般よりは消費カロリーはかなり高いと考えていいでしょう。

アシュタンガ ヨガの消費 カロリー

アシュンタンガヨガも運動量が多い流派として知られています。やはり、しっかりと汗をかき、レッスンの時間内でもカロリーを消費したい人向けです。

ピラティスの消費カロリー

パワーヨガ・アシュンタンガヨガの逆がピラティスです。レッスン中の消費カロリーはあまり期待できません。もともとがリハビリのためのもので、それにヨガの要素が付け加えられた程度のものだからです。

とはいえ、「普段使っていない筋肉を使うようになる「筋肉や腱の柔軟性が増すこと血流もよくなる」といったことでの基礎代謝のアップは期待できます。決して無駄にはなりません。

 

ホットヨガの消費カロリーは、食事量でどのくらい?

約330kcalを食事量に当てはめてみると、次のようになります。

まずは、パンやご飯などの主食です。約330kcalは、
ご飯で1.2杯、
食パンは2枚分、
スパゲッティが1人前分
となっています。

献立内容によっては1回の朝食分を消費することができます。

例えば、朝食がパンの時を考えてみましょう。

トースト1枚は158kcal、ゆで卵は76kcal、それに1杯のコーヒーをプラスして計241kcalになります。
また、トーストとコーヒーにジャムとサラダを付けても、約276kcalに抑えられます。

これだけ食べても、摂取カロリーよりも消費が上回る計算ですよね。ホットヨガのカロリー消費は「比較的多い」ということが分かります。

60gのポテトチップスが330kcal、ショートケーキが300kcalというデータもあるため、お菓子を食べすぎてしまったという時にも、ホットヨガはおすすめかもしれません。

ホットヨガの消費カロリーをより増やすには?

深い呼吸

より効果的に脂肪燃焼をするために、ホットヨガの呼吸にも注目しましょう。深く呼吸することによって、通常よりも脂肪燃焼しやすくなると言われています。

ミネラルウォーター

その他にも、運動前にダイエット効果を高める飲み物を摂取する方法がおすすめ。特にミネラルウォーターをホットヨガの前に飲むと、脂肪燃焼効果が高まります。ミネラルウォーターを飲むことによって代謝が活発になり、デトックス効果が高まるからです。ミネラルウォーターには硬水と軟水の2種類があります。よりデトックスを期待したい人は、硬水を選ぶのがコツです。硬水は軟水よりもミネラル分が多く含まれています。ミネラルは脂肪燃焼を助ける役割があるとされているからです。

カフェインの入った飲料

ミネラルウォーターだけでなく、カフェインの入った飲料にも脂肪燃焼効果があることがわかっています。特に緑茶はカテキンと呼ばれる成分が多く入っている飲み物です。カテキンは脂肪を燃焼させる働きや、美容効果もあります。ホットヨガの前に、これらの飲み物を上手に取り入れると良いでしょう。

注意しておきたいのは、このような飲み物を大量に摂取することです。飲む量が多くなると、むくみや冷えの原因になる可能性も。運動前は、コップ1杯程度が無難とされています。

運動後にも水分補給は大切です。ホットヨガは発汗量が多いので、脱水症状になりやすいです。運動前はもちろん、運動後にも適量の水分を摂取することで、無理のないダイエットを続けられるでしょう。

ホットヨガにダイエット効果はあるの?

「痩せようと思って、ホットヨガをやっているけども変化がない」といった声があるのは事実です。しかし、そういった人たちのスタジオへの通い方・ヨガの実践の仕方をチェックしてみると、問題があることが少なくありません。

あと少しポイントを押さえることで、しっかりと効果が実感できるはずです。

痩せるには週何回すればいいの?

「早く効果を得たいから」「せっかくやるからには手を抜きたくない」と頻繁にスタジオを利用している人もいるでしょう。しかし、少し待ってください。痩せたり健康になったりしないどころか、逆に体調を崩してしまうこともあるのです。

ホットヨガは高温多湿の環境でポーズを取ります。体が温度や湿度の変化についていけず、スタジオに出たり入ったりするだけで、体調を崩すきっかけになっている場合があります。「ならどのくらいの頻度がいいか」は個人差があります。まずは、週に1回程度から始めてみて、自分の体調をチェックするようにしましょう。慣れてききたり、問題が起こったりしないようなら、週に2、3回まで大丈夫な人も多いでしょう。

ホットヨガでは基礎代謝が向上しないって本当?

筋トレなどに打ち込むと、筋肉の量が増えます。筋肉は動かしていなくてもカロリーを消費します。「筋肉が増えると、消費カロリーが増え、太りにくい体になる」ということですね。ひとことでいえば、「基礎代謝がアップする」です。

ホットヨガでは筋トレほどには激しい負荷のかけ方をしません。筋肉も目立って盛り上がってくるわけでもありません。しかし、別の形で基礎代謝をアップしてくれます。

ホットヨガに限りませんが、ヨガをやると普段使わない筋肉を使います。これでカロリーの消費量が増えます。また、筋肉や腱を伸ばして軟らかさを取り戻し、姿勢が矯正されることで内臓の位置も正しいところに戻ります。血管やリンパ管も軟らかくなり、変形が正されます。

これで血行がよくなって栄養素が全身の細胞に運ばれ、老廃物も速やかに取り除かれます。「細胞活動が盛んになる」ということなので、消費カロリーも増えます。これはヨガをやっていない普段の時間からそうなります。これこそ、「基礎代謝がアップする」ということです。

ホットヨガで体重が減らない?

また、普段運動からスポーツをしているような人は別にして、一般の人なら筋肉も増えます。「体脂肪がなくなって、筋肉に置き換わる」といった形なので目立たないだけです。こちらの面からもしっかりと、基礎代謝をアップしてくれます。

基礎代謝の向上には時間がかかります。そのため、「ヨガをやっているのに痩せない」と早とちりしてしまう人も出てきます。体脂肪が筋肉の置き換わっている段階では効果が出ているのに特に気が付きにくいです。体重計に載っても、目立って数字は減っていないでしょうから。しかし、体脂肪がなくなって筋肉がついているので、間違いなく健康体に近づいています。

また、美しい体のラインを作るには、適度な筋肉も必要です。筋トレの場合は付きすぎることもあり得る一方、ヨガならそこまでいくことはまれです。美しい体のラインさえ手に入れば、体重計の数字は気にならなくなるでしょう。

ホットヨガ中の食事の注意点

ホットヨガをやっているのに痩せない理由はほかにも考えられます。「スタジオに通う頻度が低い。自宅などでも全くヨガを実践していない」「ヨガのおかげで、熟睡できる・ストレスがなくなったなどで体調がよくなった。その結果、体重が増えた。またはヨガによる体重減とプラスマイナスゼロになった」などです。

「ヨガで体重が減らなかった」という人が見落としがちなのが、「ホットヨガに通うようになって摂取カロリーが増えた」です。「レッスンのあとにお店に入り、スイーツを楽しむのが習慣になっている」「体を動かすようになったので、食事の量が増えた」といったことはないでしょうか。

これでも何もしなかった以前よりは健康に近づいているはずです。そう悪いことではないかもしれません。しかし、本気で「痩せたい」「体重を落としたい」というのなら、油断はしないようにしましょう。

まとめ

「月に2〜3回は行こう!」というように、継続的にホットヨガに通うことも、ダイエット効果を高めるポイントと言えます。ホットヨガを定期的に利用して、楽しみながら美ボディを目指せると良いですね。