初歩的なポーズができるようになったら、ぜひ取り組んでもらいたいのがラクダのポーズです。
前かがみで猫背になりがちな現代人にも、プラス効果がたくさんあります。
インナーマッスルを鍛える効果も高いので、姿勢がよくなり、腰痛なども改善します。
また、胃腸への刺激も大きく、便秘などの解消にもつながります。
ただ、少し慣れも必要なので、時間を掛けて徐々に完成に近づけるようにしましょう。
女性に多い反り腰・出尻に効果的
女性に多い反り腰(そりごし)に効果のあるのがラクダのポーズです。
反り腰とは、
直立したときに骨盤が前に傾き、それをカバーするために、すぐ上の腰のあたりが後に反り返ってしまう状態をいいます。
お尻も突き出て「出尻」とも言われます。
原因は筋力不足です。
インナーマッスルのなかでも特に太ももと骨盤をつなぐ大腿二頭筋の弱さが原因になっていることが多いです。
この筋力が弱いため、上半身の重みを骨盤がしっかりと支えることができません。
デメリットも多いです。
腰痛だけではなく、お腹がぽっこり出てしまったり、全身の肥満にもつながったりします。もちろん、姿勢がよくないので見た目にも老けた印象を与えてしまいます。
ラクダのポーズのやり方
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ラクダのポーズ
反り腰改善ヨガポーズ① らくだのポーズ ウシュトラアーサナ やり方 押さえるポイント コツ yoga ustrasana
ポイントおまとめ
ラクダのポーズは思い切り上半身をそらすので、ヨガの初心者には難しそうな印象を与えるかもしれません。
しかし、いくつかのコツをつかめば意外に容易です。
1.最初に正座します。ここからおしりを上げてひざ立ちにし、両脚は最も楽な幅に開きます。
2.背筋はピンと伸ばし、両手を腰に当てます。
3.息を吸いながら、片手を伸ばしてかかをつかみます。このとき、親指を前から回しかかとの外側に来るようにします。
4.両腕でつかんだら、息を吐きながら体をそらします。おへそを前に突き出すようにするのがポイントです。このとき太ももは垂直を保ちます。骨盤はその太ももの上に真っすぐに載せるようにします。肩甲骨をすぼめるようにすれば、曲げるのが楽になります。
5.このまま、2、3回呼吸をしたら、片手ずつ離して上半身を元に戻します。
後に反らせるときは、無理に腰の部分で折り曲げないようにしましょう。腰への負担が大きくなりすぎます。
腰骨とお腹を前に突き出すような気分でやれば、自然な曲がり方になるはずです。
ラクダのポーズが上手くできない人におすすめの5つの方法
ラクダのポーズは、中級者向きで思うようにできないと感じる人も多いです。
ただ、ほとんどのヨガのポーズは、完全にできなくても充分効果はあります。
逆に完璧な形をしなくてはと無理をして、筋肉や腱を痛めてしまうことは本末転倒です。時間を掛けながら出来るところを少しずつ増やして、完全なポーズに無理なく近づけていくようにしましょう。
具体的な分解練習の方法は5つあります。
①準備体操
ひとつは準備体操です。軽く背筋や股関節を動かして、温めてから始めるようにすれば、ずっとやりやすくなります。
②プロップスの助けを借りる
ヨガの補助道具としてプロップスを上手く使いましょう。
たとえば、かかとをつかむことができないのなら、その近くに少し高さのあるプロップスを置いてその上に手を置くようにすればいいでしょう。
またはつま先を立てて、かかとを高くした状態でそのかかとをつかんでもいいでしょう。
③脱力する
また、体の力を抜くこともコツのひとつです。
普段しないような姿勢なので、緊張してしまいがちで、それが身体の柔軟性を奪っている可能性も高いです。特に肩の周りに気をつけましょう。力を抜いて、腕や上半身の重みに任せて曲げるようにすれば、もう一段深く曲げられることが多いです。
これらは特に自宅などでやるときに要注意です。スタジオでのレッスンならインストラクターがいてちゃんと指導してくれます。自分一人ではチェックしきれず、無理をしてしまうこともあるでしょう。
④先に猫のポーズで慣れる
ラクダのポーズが難しいなら、代わりのポーズから始めましょう。同じような効果があって、腰などにそれほど負担のかからないものとしては、猫のポーズがその代表です。
1.床の上で四つんばいになります。両足は軽めに開いてつま先まで伸ばし、甲を床につけます。腕はヒジを伸ばし垂直に立てます。
2.息を吐きながら、背中を丸めます。視線はおへそへと向けます。
3.そこから最初の形に戻します。
4.息を吸いながら、背中を反らします。おしりは突き出すような感じです。
5.これを5セット前後繰り返します。
参考
ヨガの猫のポーズ(マールジャーラ・アーサナ)のやり方。どんな効果がある?
⑤コブラのポーズもやりやすい
また、うつぶせになって、腕を立てて上半身を支えるコブラのポーズも同様におすすめです。
ラクダのポーズのバリエーション2つ
十分にこなせる人はラクダのポーズバリエーションにも挑戦を
もし、ラクダのポーズが無理なくできるようになったら、バリエーションにも取り組んでみましょう。
主なものはふたつあります。
①
ひとつは、かかとをつかむのは片手だけにして、もう片手は真っすぐに後方に伸ばします。手の指もしっかりと伸ばし、手のひらは垂直になり親指は下に来ます。こうすることで胸の前の筋肉がいっそう伸びます。
②
もうひとつは、片足を曲げおしりに引き寄せる形です。つまり、ふくらはぎと太ももがピッタリと着きます。手はつま先を鷲づかみにしましょう。太ももの前の部分がしっかりと伸びます。
または、片手はまっすぐ後方に伸ばし、もう片方は足をおしりに引きつけて手でつま先をつかんでもいいでしょう。
つまり、先のふたつを合わせた形です。
ラクダのポーズで腰痛が悪化することってある?!
ラクダのポーズは腰痛解消の効果はあります。
しかし、腰痛がひどい人の場合、ラクダのポーズをとることで悪化してしまう恐れはあります。
痛みがひどくなったり、腰痛を引き起こしている原因がさらに悪くなるなど。これは首筋や背中を痛めている人も同様です。
腹筋が弱くて筋力がアンバランスの場合
「今まで腰痛なんてなかったのに、ラクダのポーズを一生懸命やったら痛みが走るようになった」といったケースもあります。
腰回りの筋肉を使いすぎていて、腹筋などはあまり使っていない、という場合に腰痛になることがあります。
これは筋肉のアンバランスから来ているので、腹筋を鍛えるようにします。
ヨガで対策をとるのなら、ねじった三角のポーズ・舟のポーズなどがいいでしょう。
また、腰痛などのトラブルがない人も、ラクダのポーズは、ねじった三角のポーズなど、または前屈系のポーズなどとはセットで行うのがベストと知っておいてください。筋肉のバランスを考えて一緒に行うことでより効果的になります。。
参考
ヨガの三角のポーズ、効果とマスターのコツ。初心者でできない時のポイント
ラクダのポーズ、7つのうれしい効果
ラクダのポーズでは首筋から足の先までしっかりと伸ばすことができます。効果が及ぶ部分も全身です。
まず、直接的には背中の張りや肩こりを解消し、猫背などの問題のある姿勢を改善します。
また、背骨付近を活性化することで、全身への血流をよくします。このことから、冷え性やむくみの改善にもつながるでしょう。
ほかには、胃腸など内臓を活性化して便秘などを解消します。バストアップなども期待していいでしょう。
胸を張りお腹も伸ばすところから、呼吸が深くなります。これは交感神経・副交感神経で成り立っている自律神経が整います。リラックス効果も生まれ、免疫力も高まるでしょう。つまり、病気全般にかかりにくくなります。
ラクダのポーズの名前の由来はシンプル
サンスクリットではウシュトラアーサナ
ラクダのポーズはサンスクリット語では「ウシュトラアーサナ」といいます。
「ウシュトラ」(サンスクリット語) ⇒ ラクダ
「アーサナ」(サンスクリット語) ⇒ ポーズ
なので、そのままの訳です。
ポーズを取ったときに、上に向かって伸び上がっている胸をラクダのコブに見立てて付いた名前です。
まとめ
ラクダのポーズが特におすすめなのは、日ごろデスクワークなどで前かがみの姿勢が多い人です。
胸やお腹の筋肉を伸ばすことが少ないので、筋肉の付き方がアンバランスになっている可能性が高いです。
もし、仕事中に集中力の欠如やなんとなく目などが疲れているような気がしたら、ストレッチ代わりにポーズを取ってみましょう。イライラしたときにもおすすめで、深い呼吸が気分を落ち着けてくれます。
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