英雄のポーズ(ヴィラバドラーサナ)は「戦士のポーズ」と呼ばれることも多いです。サンスクリット語での名前の由来はヴィーラバドラで、シバ神の髪の毛の一本から生まれた戦士です。

太陽礼拝にも含まれるぐらい、ヨガの基本的なポーズのひとつです。どこのヨガスタジオでもこれを含んだレッスンは用意されているでしょう。

また、バリエーションもたくさんあります。これからヨガを始めるような人はもちろん、中級・上級者になっても取り組むことの多いポーズです。

英雄のポーズのやり方

インストラクターによって異なりますが、3種類または4種類ぐらいのバリエーションがよく紹介されています。

英雄のポーズ1

最もシンプルな英雄のポーズです。太陽礼拝に含まれるものも、特に説明がない限りこれだと考えていいでしょう。

1.直立します。足の指はしっかりと開いて、指先からかかとまでを床に密着させます。
2.右足を前に出し、左足を後ろに引きます。息を吐きながら右ひざを曲げ、体の重心を下げます。すねはほぼ垂直で、ひざが前に出ないように気をつけましょう。右つま先はまっすぐ前です。左つま先は床に着けたまま45度程度外側に向けます。または、まっすぐ前を向けたまま、かかとを浮かせるパターンもあります。
3.息を吸いながら、両手をそろえて上に突き出します。目線はやや上、背中は軽く反らせます。上半身は上へと伸びていく感じです。
4.息を吐きながら体を緩め、左右を入れ替えて繰り返します。

もし、ポーズが苦しいようなら、足の幅を狭くしてバランスを取りやすくしましょう。

英雄のポーズ2

太陽礼拝の一連のアーサナにこの英雄のポーズ2を含めるヨガスタジオもあるようです。その場合は、英雄のポーズ1から続けると特に下半身への効果がアップします。

1.スタートは英雄のポーズ1と同じです。足の裏でしっかりと地面をとらえて直立します。
2.両足を左右に大きく開きます。右つま先は真横に開きます。左つま先は正面向けかやや内側です。胴体は最後まで正面を向け、垂直に立てたままです。両腕は水平に開きます。
3.息を吐きながら重心を下げ、右ひざを直角にまで曲げます。顔は右真横に向け、右手の指先を見ましょう。
4.自然な呼吸を繰り返し、しばらくキープしたら、息を吸いながら体を緩め、左右を入れ替えて繰り返します。

また、これをイスに座ったままやる形もあります。いわゆるチェアヨガの一種です。職場などでのちょっとした空き時間を使ってのリフレッシュやリラックスに最適です。

英雄のポーズ3

バランス感覚を強化するポーズです。また、身体を安定させるのが難しく、ある程度バランス感覚がついていないとできないため、中級以上向けです。

1.山のポーズを取ります。つまり、直立にしか見えないかもしれませんが、足の指を開いてしっかりと地面をとらえ、体のラインを真っすぐにします。山のポーズには両足を閉じるパターンもありますが、この場合は肩幅程度に広げ、つま先はまっすぐ前に向けます。
2.手のひらを合わせて、まっすぐ上に伸ばします。
3.息を吐きながら右足に体重をのせ、左足は後ろに上げます。最後は息を吸いながら、腕・頭・背中・左脚のラインを水平にします。
4.しばらくキープしたら、脚を下ろし、左右を入れ替えて繰り返します。

もし、この順番が難しければ、次のようなやり方もあります。

1.両足を閉じ、足の裏でしっかりと地面をとらえます。左右の手は、それぞれの側の腰に当てます。
2.胴体の垂直を保ったまま、左足を後ろに引き、脚を前後に開きます。右ひざを曲げ、すねは垂直になるようにします。
3.息を吐きながら、右足に体重を載せ、上半身は倒し、左脚は上げていきます。と同時に、右ひざは伸ばしていきます。
4.頭・背中・左脚が水平になったら、息を吸いながら腰に当てていた手を水平方向に伸ばし、両手を合わせます。
5.しばらくキープしたら、足を下ろし、左右を入れ替えて繰り返します。

英雄のポーズ4

別名を逆向きの英雄のポーズといいます。特に体側がしっかりと伸ばせます。

1.英雄のポーズ2まで持ってきます。つまり、左右の手は水平に広げ、胸や腰は真正面、片方の脚のすねは垂直、もう片方はまっすぐに伸ばした状態です。顔は曲げた脚と同じ側に真横を向きます。
2.息を吸いながら、顔の前にある側の手を上げ、後側の手は下ろして太ももあたりに添えます。
3.息を吐きながら、上半身を軽く反らします。次に吸う息に合わせ、さらに腕をそれぞれ上下に伸ばします。視線は上にした手の指先を見つめます。
4.自然に呼吸しながらしばらくキープしたら、腕を元に戻し、左右を入れ替えて繰り返します。

英雄のポーズの効果

効果を考えるのにも、やはりベースとなるのは英雄のポーズ1です。特に初心者には2-4はやや難度が高いので、まずは1で効果を実感してみましょう。そうすれば、「もっと上手になりたい。2、3、4もできるようになりたい」といった意欲も出てくるでしょう。

股関節にいい?

英雄のポーズのポイントのひとつが、前に出した方のひざの曲げ方です。理想は直角です。しかし、なかなかうまくはいかないでしょう。まずは、「すねを垂直に立てる」を意識しながら、できるところまで曲げるようにしましょう。

慣れてきて、ひざが深く曲げられるようになるに連れて、股関節の筋肉も伸びるようになります。

股関節が軟らかくなると、骨盤周りの血行がよくなり、いろいろな面でい体調が改善します。たとえば、脚へも血液がよく回るようになるので、下半身全体の冷えが解消します。となると、むくみもなくなり、さらには下半身部太りも解消する、というわけです。

骨盤のゆがみにいい?

骨盤がゆがむのは、骨盤・背骨・太ももをつないでいるインナーマッスルが弱いのも大きな原因のひとつです。具体的には大腰筋や腸骨筋です。これらが緩んでいたり、または固くなりすぎてバランスを崩していると、骨盤も正しい位置を保てません。

骨盤底筋も同様です。骨盤底筋はその名前にあるように骨盤の最も底の部分にハンモックのように広がって、膀胱・子宮・腸などを支えています。骨盤底筋が正しく機能していないと、内臓の位置まで崩れ、骨盤にも負担がかかります。

英雄のポーズを習慣づけることでこれら大腰筋や骨盤底筋などが強化されます。骨盤のゆがみの矯正にもなる、ということです。この面からも下半身の引き締めにもなるでしょう。

また、「ダイエットをしているけどもうまくいかない」という人にもおすすめです。食べるものだけではなく、骨盤のゆがみが血液・リンパ液の流れをわるくして、それが肥満の原因になっている場合もあるのです。

精神面への効果も高い?

これら以外にも、背中を反らせることから肩甲骨の周囲の筋肉もほぐれ、肩こりの解消にも役立つなど、さまざまな効果があります。

さらに見逃せないのが、精神面への効果です。身体を思いっきり伸ばし、胸の筋骨を開き、しかも顔を上向きにします。実際にやってみるとわかりますがかなりの爽快感があります。集中力・注意力を高め、ストレスを解消しするポーズです。

まとめ

英雄のポーズ1は特に初心者向けです。といっても、正確にやれるようになるには時間がかかるでしょう。前に出したひざの曲げ方が少なかったり、腕がまっすぐ伸びていなかったりなどなどチェックポイントはたくさんあります。横から見ても大丈夫でも、正面から見ると傾いているような場合もあります。

うまくできていない部分があったとすると、それだけ筋肉が十分でなかったり、関節が固くなったりしている証拠です。初心者はまずは、きれいに英雄のポーズ1ができることを目指しましょう。2、3、4と進むのはそれからでも遅くはないでしょう。