肝臓は、沈黙の臓器と呼ばれます。
最近代謝が落ちているな、疲れやすいなと感じる人は、自分では気が付いていないだけで、肝臓がかなり疲れているかも知れません。
身体に無理なく簡単に肝機能をアップさせてくれるのがヨガです。
肝臓を回復させて元気になるポイントをここではご紹介しています。
肝臓の4つの役割と問題サイン
肝臓は胃の右上にあり、代謝と解毒、胆のうの生成・分泌に関わっています。
この働きが衰えると、いくつかのサインが出てきます。
ます。
①代謝機能
食べ物から糖やタンパク質、脂肪をグリコーゲンとして貯蔵し、必要な時にエネルギーとして供給してくれます。
不要になった老廃物は肝臓へ戻されて、胆汁へ排泄したり、肝臓内で再利用したりします。
年齢と共に代謝が落ちてくるケースが多いですが、肝臓が深く関わっています。
②解毒作用
解毒(デトックス)に関しては、アルコールや薬、老廃物などの有害物質を分解して無毒化する働きがあります。
③たん汁の生成
胆汁は脂肪の消化や吸収を助ける消化液の役割も担っています。
肝臓で作られた老廃物を流す胆汁を作り出して分泌する働きもあります。
つまり何となくだるいとか、太りやすくなってきたなどの症状は、肝臓の働きが弱っているサインとも考えられます。
④気の通り道。経路の起点
肝臓は体の中心に位置していろいろな気が通り、経絡の起点ともなっています。
東洋医学では肝臓はとても大切な個所とされています。古来中国では、肝臓は心臓の次に2番目に重要な臓器として考えられていました。
陰ヨガでは、【胆・肝】の経絡は、春の経絡として冬に蓄えた毒素を春になった時に排出させる大切な器官とも考えられています。
春ヨガ = デトックスに最適
というのが陰ヨガの考え方です。重要な器官なので肝臓ケア専用のヨガをわざわざ作られたわけです。
この肝臓が悪くなることで気の巡りも悪くなり、怒りっぽくなる、イライラしやすくなるなど内面へのマイナス効果も指摘されています。
なぜ、弱った肝臓にヨガが効くの?
①肝臓を刺激して、働きを活性化させる。
肝臓の位置を意識しながら伸ばしていくと効果的です。間接的に肝臓マッサージをする感覚で行いましょう。
ヨガでは身体の部位ごとに効果のあるポーズが違うので、弱った肝臓を刺激してくれるポーズ(次の段落で紹介)を選びましょう。
②自律神経を整えてくれる
肝臓の働きが悪くなる原因はいろいろあります。
飲みすぎ食べ過ぎなど飲食に関わるものだけでなく、ストレスによる自律神経の乱れが原因となることも。
この自律神経の働きを整える効果がヨガにはあります。
ヨガをすると副交感神経を優位にさせて、しっかり身体を休ませることができます。
肝臓を休ませるために、集中的に副交感神経を活性化させるポーズを取り入れてみましょう。
肝臓を刺激して機能回復に効果的なポーズ(アーサナ)
かんぬきのポーズ(パリガーサナ)
・肝臓と腎臓を刺激して、消化能力を高める。
①腰に両手を据えて、膝立ちをする。
②右膝だけを立てる。
③その右足を外側へ90度開く。
④息をゆっくり吐きながら、天井へ向かって左手を挙げる。この時右手は、右膝をおさえる。
⑤息を吐きながら右膝を伸ばしていく。上体も一緒に右側へ倒す。
⑥この時左体の左側の側面をストレッチさせていく。左の指先へ視線を向ける。
⑦この姿勢をキープしたまま、3回~5回深呼吸をする。
背筋を伸ばして体側をストレッチできます。肋骨が開き呼吸も深くなります。
直角のポーズ(パールシュワコナーサナ)
・肝臓と腎臓を刺激して、消化能力を高める
①手を真横に伸ばし、肩の高さに持ってくる。
足を、手首の位置を目安にして広く広げる。
②右足を右に90度に開く。左足は少しだけ内側に入れる。
③右足の膝を90度に曲げる。太ももは床と平行にするのが目安。
④上半身を右側に倒す。
できるだけ遠くに伸ばしていく感覚で。
⑤右手は右足の外側に置き、左手は天井方向に伸ばす。
⑥目線は左手指先へ。
足裏全体で地面を踏み、体側とわき腹を伸ばす。
例えばわき腹を伸ばす際に、右寄りにある肝臓を意識してヨガをすることでもかなり違います。
ねじりのポーズ(アルダマチェンドラーサナ)
賢者のねじりのポーズC(マリーチアーサナ)
①両足を前にまっすぐ伸ばして座る。
体重が左右の坐骨に均等になるように座ること。
②右膝を曲げて、体に引き寄せる。
背筋をまっすぐ伸ばすように。
③息を吸いながら上半身を右側へ捻る
④さらに息を吐きながら上半身をネジる。目線は後ろ方向へ。
⑤同じように反対側も行い、左右ねじる。
肝臓や腎臓を刺激して、働きを良くしてくれます。
橋のポーズ(セツバンダーサナ)
内臓と腎臓に効果的。
①仰向けに寝る。手のひらは床につける。
②腰の幅に足を開き、両膝を共に立てる。
かかとは、お尻の近くに置くように。
③息を吸いながらお尻を上持ち上げる。
④両手をお尻の下の位置で組み合わせる。肩甲骨を寄せる。
⑤腰のあたりを天井に向けて高く上げる。
コブラのポーズ
腎臓に効果的
①マットの上にうつぶせで寝る。
足を腰の幅で開く
②両脇を閉めたまま、両方の手を、胸の横の位置に置く。
③息を吸いながら、上半身を起こしていく。
胸は天井に向かうように上げていく。
手で軽く床を押して支えてもいい。
④さらに息を吸いながら、両肘を伸ばし、上半身を上げていく。
⑤目線は斜め上を向く。
手で床を押し、頭をさらに高く伸ばす。
⑥太ももの付け根から足の甲までをまっすぐ伸ばす。
【注意】ホットヨガでは肝機能が低下する?!
人気のホットヨガですが、メリットだけではありません。
高温多湿の環境でヨガをすることで、熱中症になることがあります。
体内温度が上がりすぎることで、内臓や臓器にダメージを与えてしまうことが分かっています。肝臓も肝機能低下など、機能障害がおこることも・・・
体から水分が減少すると、筋肉や脳、肝臓、腎臓などに十分血液がいきわたらないため、筋肉がこむら返りを起こしたり、意識がボーっとして意識を失ったり、肝臓や腎臓の機能が障害されたりします。
また、熱(高温)そのものも各臓器の働きを悪化させます。
特にホットヨガは体に合う合わないの差が激しいです。肝臓や腎臓にも、思う以上に負荷がかり、体調を崩す人もいます。
きちんと初めに確認して、常温ヨガかホットヨガか、自分の体に合ったものを選びましょう。
知らない間に肝臓を酷使していた?!お酒を飲む機会が多い方にもヨガが最適!
肝臓に悪いものワースト4
アルコール
体内にアルコールが入ってくると、肝臓は解毒することでとても忙しくなります。
飲まない方が肝臓に良いと分かっていても、お付き合いなどで飲まざるを得ない方も多いと思います。
最低でも週に1~2回は休肝日を取りながら、日常生活にヨガを取り入れましょう。
食べ過ぎ
また炭水化物や脂肪分、糖分の摂り過ぎも、肝臓を疲れさせている原因になります。
ビタミンAやC、ミネラルなどをたっぷり摂取しましょう。
運動のし過ぎ、ハードワーク
運動をすることで心拍数が上昇して、主に動かしているところの骨格筋へ血流が集中していきます。その一方で消化器官への血流は減少していきます。激しい運動を継続的にしている場合は、肝臓への血液量も減っているため、機能を低下させる要因となります。
ヨガが体にいいと聞いて、ハードなヨガをやりすぎるのも逆に肝臓には負担になるので注意しましょう。
睡眠不足
睡眠時間を適度に取り、睡眠の質を上げることは肝臓の働きを助けます。
肝臓の活動のためのエネルギーを眠っている間に体が蓄えることができるからです。
なかなか寝つきが悪く、眠りの質が悪い方にもヨガが最適です。
ヨガを実践することで副交感神経に切り替わりやすく、眠れる状態になりやすくなります。
また体を適度に動かすことで程よい肉体的疲労があり、心地よく眠れます。
【まとめ】肝臓低下のサインに気をつけよう。
・太りやすくなってきた
・疲れやすくなった
・なんとなくだるい
・イライラする、気分が晴れない
個人差はありますが年齢を重ねるごとに、感じることが増えます。
運動不足なのに疲労感がある方は、ヨガで汗を流しながら肝臓回復がおすすめです。
体が疲れているのではなく、肝臓などの内臓の機能が低下して代謝が悪くなっていることが原因かもしれません。
代謝が悪くなると、身体全般の機能が低下して疲れやすくなります。。
運動不足の人でも無理なく肝臓の働きをアップできるヨガがおすすめです。