妊娠中だから安静にしなくては!と考えても、大事に考えすぎて、全く動かないのは逆効果です。

お腹に赤ちゃんがいるので、激しい運動はできないけれど母体にも、赤ちゃんにも負担なくできる運動もいくつかあります。

よく注目されるのが、水泳(マタニティスイミング)やエアロビクス(マタニティビクス)、マタニティヨガです。ヨガは手軽に始められるけれど、いろいろな効果がある点で優れていると、プレママさんにも人気が高まっています。

マタニティヨガとは

ヨガにはたくさんの流派があります。その中には、激しい運動をしてエアロビクスと同じような効果を目的としたり、またはゆっくりと時間を掛けて筋肉や腱を伸ばすことを目的にしているようなものもあります。

その流派の名前には、そのタイプのヨガを始めた人の名前などがついてます。

マタニティヨガも流派のひとつとして採り上げられることも多いですが、どちらかといえば、「様々な流派の中から妊婦さん向けのアーサナを集めたもの」といった側面が強いです。

マタニティヨガの目的と効果

運動不足・ストレスの解消

「妊娠中は運動不足になるのはある程度しかたない」と「だからといって、全く運動しないとお産が重くなる」の180度違う考え方で板挟みになる人も多いでしょう。そういったときにおなかの赤ちゃんに悪影響を与えなくて住む程度の運動ができるのがマタニティヨガです。

その運動効果だけでもストレスは解消します。さらには瞑想も行うことで、気持ちを落ち着けることもできます。

出産が楽になる

「適度な運動ができる」だけがお産が軽くなる理由ではありません。ポーズも分娩の際に使う筋肉に効果のあるものが特に選ばれています。

また、呼吸法の特徴も見落としてはいけません。ヨガではすべての動きが、息を吸う・吐くと連動しています。特にマタニティヨガの場合、妊娠中・出産時のときにも応用ができるアーサナと呼吸法が選ばれています。

実際にマタニティヨガを実行した人を診た医師らからは、「分娩時間が短くなる」「会陰切開をしなくて済んだ」といった具体的な効果が報告されています。

仲間づくり

これは特にヨガスタジオなどに通ったときにいえます。同じ出産を控えたママさん仲間ができます。

マタニティヨガは妊娠中でも、どちらかといえば後期の人向けです。自然と出産時期の近い人たちと知り合いになれますから、同じ妊婦さんたちの中でも特に話が合うはずです。

マタニティヨガを始めるには

教室の選び方

「マタニティヨガ」は本来は、おなかに赤ちゃんのいる人たち、つまり妊婦さん向けのものをいいます。しかしながら、実際にはこれから妊娠したい人向けの「妊活ヨガ」や、すでに出産した人が妊娠前の体調に戻すための「産後ヨガ」までそう呼んでいる場合があります。

もちろん、本当に目的に合っているのなら妊活ヨガや産後ヨガを選べばいいのですが、本来のマタニティヨガをしたいのであれば、間違わないようにしましょう。

そのためには、ネット上の情報だけではなく、契約前に一度はレッスン風景を見学させてもらったほうがいいでしょう。

全国区にあるLAVAは一部の教室ですが、マタニティヨガを開催しているスタジオです。

→LAVAの詳細はこちら

どこでやる?

もちろん、自宅でやることもできます。マタニティヨガを解説したDVDなどもたくさん販売されて、1軒自分だけでもできそうです。

しかし、ヨガのポーズや呼吸法はちょっとしたコツで効果がぐっと上がるようなことがあります。できれば、インストラクターなど教えてくれる人がいるところにも通い、残りの日は自宅でやるようにしたほうがいいでしょう。

この場合、まず考えるのは「ヨガ教室」「ヨガスタジオ」かもしれません。たしかに、ほかの流派のクラスと同時に、マタニティヨガのクラスを用意しているところもあります。ですが、マタニティヨガの場合、産婦人科自体が院内にスタジオを持ちレッスンをやっていることが決して少なくありません。

逆にいえば、妊娠の可能性に気がついた時点で、マタニティヨガをやっている産婦人科を選んでおくのもいいでしょう。

また、たとえその産婦人科がレッスンをやっていなくても、主治医の先生に相談してみましょう。きっとおすすめのスタジオがあるはずです。

いつから始める? いつまでやる?

レッスンを始めるのは16週に入ってからです。妊娠中期ということですね。もちろん、診断を受け、なにも異常のないことは確認しておきましょう。

終わりは特に決まっていません。妊娠後期どころか出産間近でも予定日が過ぎていても、無理なくレッスンがこなせるのなら通い続けてOKです。

また、その先の産後ヨガについても触れておくと、自然分娩の場合は出産後1カ月あたりから可能になることが多いです。帝王切開などなら主治医と相談する必要があります。

マタニティヨガで一般的なポーズ

カパラ・バティ呼吸法

床に座り、前で両足を軽めにクロスさせ、背中を真っ直ぐに伸ばします。また、手のひらは上向きにして、甲をヒザに載せ、身体全体をリラックスさせます。瞑想をするときにとる「安楽座」と同じポーズです。

息を鼻から吸って、下腹部を思いっきり膨らせます。

丹田(へその下数センチの部分)を意識し腹筋に力を入れて、息を力強く鼻から出します。この際、鼻の穴からシュッーと音が出るぐらい激しくやります。

吐き終わったら、力を抜いて、自然と空気が肺に入ってくるのを待ちます。

これらの一連の動作は分娩で力を入れるときの練習にもなります。

バタフライのポーズ

まず、「合蹠(がっせき)」します。床の上におしりを下ろし、両足の裏を合わせます。この際、かかとだけではなく、親指の付け根もくっついているようにします。ヒザは自然とやや浮くはずです。

この状態から手のひらを上にして腕を前に伸ばします。腕はだらりと床の上につけ、どんどん前に伸ばしていきます。かかとはできるだけ、股関節に近いところに持ってくるのがポイントです。

これは股関節を緩め、骨盤も開きます。

ワニのポーズ

妊娠中はホルモンバランスが変わったり、体の中の水分が少なくなることで、深刻な便秘に悩んでいる人も多いでしょう。この「ワニのポーズ」は、腸などの内蔵を刺激し便秘を解消してくれるアーサナです。

最初に仰向けに寝て、両手を真横に広げます。

息を吸いながら、脚をそろえたまま両ヒザを胸に引き寄せます。ここから、両ヒザは右に倒し、顔は左を向けます。肩は床から浮かせないのがポイントです。この状態をキープしながら、腹式呼吸を3分程度続けます。

さらに左右を替えて続けましょう。両ヒザを横に倒すのが苦しいようなら、片足だけでもOKです。

橋のポーズ

床の上に仰向けに寝ます。両脚は伸ばして肩幅ぐらいに広げます。両腕は体に沿って伸ばし、手のひらは床に向けます。

息を吸いながら、おしり、背中、胸の順番で持ち上げます。アゴは引き、床の上で両手を組みます。できるだけ高い位置で腰をキープし、ここで深呼吸を5、6回繰り返します。

息を吐きながら腰を下ろして1セットが終了です。

腰痛が解消するだけではなく、便秘の解消にも役立ちます。

猫のポーズ

妊婦さんには猫のポーズがおすすめです。ヨガ教室でもこのポーズを中心に母体に無理がないようにレッスンが行われるところが多いです。

猫のポーズは、妊娠中でも安心!マタニティーヨガにいい理由