「1日のうちでいつの時間帯にヨガをやるか」はヨガに興味を持ち始めた人にありがちな疑問のひとつです。結論をいえば、「いつやってもいい。また、その時間帯ごとに違った効果もある」といったところです。とはいえ、朝一番にやるヨガはおすすめできます。これを「朝ヨガ」と呼ぶ人も少なくありません。
朝ヨガで期待できる効果
朝ヨガをやるタイミングは?
朝ヨガをやるタイミングは、目覚めた直後のベッドの上でもOKです。または、すぐにヨガマットに移って行うパターンもあります。いずれにしても、朝食を取る前にやりましょう。というのは、どの時間帯でも同じで、胃に食べ物が入っているとポーズをうまく取れなかったり気分が悪くなったりします。
また、ヨガスタジオがレッスンの一種として朝ヨガを用意している場合もあります。多くの場合、「仕事に行く前にクラスに参加ができる」という時間帯のものをそう呼んでいるようです。ただ、これは目覚めてすぐというわけではないので、ここで紹介する朝ヨガとは別のものと考えたほうがいいでしょう。
朝ヨガはダイエット(痩身)につながりやすい
朝ヨガによる効果には次のようなものがあります。
・体が温まる
早朝にいきなり体を動かすのはなかなか億劫なものです。特に寒い季節ともなると、ベッドやふとんから出るだけでも大変です。特に寝ヨガと呼ばれるような寝たままの姿勢のポーズなら、ベッドやふとんの上にいるままでも大丈夫です。いくつかポーズを取っているうちに身体も温まってふとんから出やすくもなるでしょう。
・排便がうながされる
どんなポーズでも大なり小なり排便を促す効果はあります。特におなかを曲げたり持ち上げたりして内臓を刺激するようなものをやっておけば、朝食後の排便もスムーズに行くでしょう。
・骨盤矯正がしやすい
1日のうちで、骨盤が一番しっかりと閉じている時間は朝です。そこから夜にかけて徐々に開いていくのが一般的です。骨盤は閉じている状態で歪みなどは矯正しやすくなり、また、開くとリラックスします。また、このリズムが狂うと、生活リズムにも悪影響を与えます。なので、朝一番には骨盤周りの筋肉を鍛え、しっかりと引き締めておくことは重要です。
・体脂肪が一気に消費される
朝起きた直後は前日の夕食からも時間がたち、血液の中の糖分はかなり少なくなっています。このときに体を動かすと、体脂肪として蓄えていたのを取り崩してエネルギー源にするしかありません。つまり、1日のほかのどの時間帯よりもやせやすいのです。「朝ヨガにはダイエット(痩身)効果が高い」とされる理由です。
自律神経が整う
気分よく1日がスタートできる
まだまだ朝ヨガによる効果はあります。
・副交感神経優位から交感神経優位にスムーズに切り替わる
内臓など多くの体内の器官は自律神経が支配しています。自律神経は主に活動しているときに支配的になる交感神経と、リラックスしているときに支配的になる副交感神経でできています。もちろん、夜寝ているときは副交感神経が、昼間は交感神経が優位になります。夜寝る前のヨガも朝ヨガもこの切り替えをスムーズにする効果があります。
・体内時計がリセットされ生活リズムが整う
朝起きてベッドからでないままでもできる朝ヨガとはいえ、できればカーテンは空けて日を浴びながらやるようにしましょう。太陽の光はホルモンの一種セロトニンの分泌を促します。このセロトニンは夜になるとメラトニンへと変化し、睡眠の質をアップしてくれます。つまり、朝一番の日光が夜の熟睡を予約となるのです。また、ヨガのポーズを取ることで、体内時計が正しい時間を指すようにリセットされます。これもまた、夜の熟睡につながります。
朝ヨガの人気動画
朝ヨガで心地よく目覚めよう! ベッドの上で簡単ストレッチ
ビー ライフ
ビーライフの人気インストラクター、まりこさん
朝ヨガ まりこで検索されることが多い、有名インストラクターさんの動画です。
ベッドでできる朝ヨガ、おすすめポーズ
ヨガの初心者にはベッドの上でできるポーズがおすすめです。なんといっても、パジャマのままやることができます。また、時間もわざわざ別に取る必要はありません。なんとなく寝ぼけているような間に始めてしまいましょう。
◯初心者にはまずは簡単なポーズから
ベッドの上なのでもちろん寝ポーズが中心です。特にこれをやらなければならないというものはありません。自分の体調や目的にあったものを見つけるようにしましょう。特に初心者向けということなら、次のようなものがあります。
ネコの伸びのポーズ
1)両足のつま先を立てた状態で四つんばいになります。この時点では目線は床に向けています。
2)息を吸いながら目線を天井へと向け、それに連れて腰を反らします。
3)この状態で数回呼吸を繰り返します。
4)ここから元に戻すだけでもOKです。しかし、さらに効果を得たいのなら、今度は逆に背中を丸め、目線もおへそへと向けます。
5)この状態から元に戻し、一連の動作を繰り返します。
朝起きた直後の体のこわばりをほぐしてくれます。
参考
ヨガの猫のポーズ(マールジャーラ・アーサナ)のやり方。どんな効果がある?
子どものポーズ
1)正座の状態から、息を吐きながら上半身を前に伸ばしていきます。腕は体側につける場合と、前に伸ばす場合があります。
2)肩は落とし気味にし、首はできるだけ前に伸ばします。また、お尻はかかとの上に載せましょう。
3)この状態で力を抜いて、呼吸を繰り返します。
心がやすらぎ、しかも集中力も高まります。
ガス抜きのポーズ
1)仰向けになってヒザを立て、腕は体側に置きます。
2)ヒザを胸にできるだけつけ、腕で抱え込みます。また頭もヒザの方に近づけます。
3)この状態で呼吸を5、6回繰り返します。終わったら息を吐きながら頭や手足を元に戻します。
3)余裕があるようなら、背中も丸め小さくまとまるようにしましょう。
腸に対する刺激になり、蠕動運動がうながされます。朝ヨガに採り入れることで便通もよくなるでしょう。
太陽礼拝のポーズ
本気で朝ヨガをするなら、いずれは太陽礼拝のポーズを
太陽礼拝のポーズはヨガの流派によって多少の違いがあります。共通しているのは10ほどのポーズを立て続けに行うことです。もちろん、スムーズにポーズを変えていくことができるように工夫されていて、しかも、これだけをやればヨガで期待できる効果を一通り得ることができます。つまり、「ヨガのエッセンスが全部詰まっている」と考えていいでしょう。
たとえばアシュンタンガヨガの太陽礼拝に含まれるのは、次の6種類のポーズで、これらの中には2回行うものもあります。
ウルドヴァハスタアーサナ・ウッターナーサナ・アルダウッターナーサナ・チャトランガ・ダンダーサナ・ヴァムカシュヴァーナーサナ・アドームカシュヴァーナーサナ
一通りやって5分程度でしょう。2、3回繰り返す人が多いようです。また、これらの中に立位も含まれるので、ベッドの上で済ませることはできません。少し先の目標として意識しておくようにしましょう。
朝ヨガは何分やればいいか
「朝ヨガや何分かければいいか」という明確な答えはありません。ただ、まったくヨガが初めてで、普段体も動かしていないような人には、長くやると筋肉痛などがおき、なによりも面倒くさくなってしまいます。習慣にするのも難しくなるでしょう。
最初は5分でもいいでしょう。これでも4つか5つのポーズは取ることができます。しばらくやれば、体も慣れてくるでしょう。なによりも効果を実感できるはずです。そこから次第に時間を伸ばしていきます。
ベッドの上だけでは物足りなくなり、太陽礼拝のポーズまで採り入れるころには20分から30分ぐらいになっているはずです。
また、このぐらい時間を掛けるようになると、「どのポーズをやればいいか。その順番はどうするか」といったことも迷うようになっているかもしれません。太陽礼拝のポーズなら最初からいくつものポーズの組み合わせで、その順番も決まっています。自分で工夫する必要はありません。
また、頻度も毎日やるのが理想ですが、週に2、3回から始めてもOKです。
まとめ
朝は一日の始まりの大切な時間です。
上手に自分の体をヨガで目覚めさせれば、最高の一日をすごすこともできますね!