肩こりは放っておくとどんどん蓄積していきます。薬を塗ったり飲んだり、マッサージをしたりなどなど種々試してみた人もいるでしょう。悩んでいる人が多いだけに、次から次へと新しい方法も紹介されます。

ですが、多くの人は一時的に軽くなるだけで慢性化させてしまっているようです。根本から治すつもりであればヨガがおすすめです。

ヨガが肩こりを解消してくれるわけ

肩こりを薬で治そうとすると、血行をよくする湿布薬を張ったり、やはり血行がよくなる成分の入った飲み薬を使うことになります。またはマッサージです。もみほぐして、筋肉の緊張をほぐし、血行を回復させます。

何かいつもと違うことをやって、そのせいで一時的に肩こりになっているのなら、これでも解決するかもしれません。

ですが、肩こりの原因の多くは日常生活の中にあります。原因を取り除くにしても簡単には行かないものばかりです。

となると、体質の方を変えるか生活パターンを変えるしかありません。そこでヨガの登場なのです。

ヨガにはストレッチ効果もあって、軽い運動かそれ以上になります。ハードなヨガはエアロビクスと同じようなレベルの運動効果まで期待できます。

また、姿勢もよくなりますから、肩や首、背中などの筋肉に負担を掛けることも少なくなります。

自律神経を整える、ストレスを解消するなどの効果もあって、いろいろなアプローチで総合的に肩こりを解消・予防してくれます。

肩こりが解消するヨガのポーズ

ヨガで肩こりを解消するには、ふたつのアプローチがあります。

2-1.リラックス効果や自律神経の回復で肩こり改善

ヨガの持つ、リラックス効果や、自律神経回復効果を期待するのがひとつです。

この場合、特にどのヨガの流派ということはなく、アーサナも特定のものを集中的にやるよりも、バランスよくいろいろなものを組み合わせたほうがいいでしょう。「実際にやってみて続けやすいと思ったもの」「あまりにレベルを上げすぎて負担にはならないもの」も大事な点です。三日坊主で終わっては、ほとんど効果はありませんから。

2-2.肩こりに効く簡単ポーズで肩甲骨をほぐす

もうひとつが、「肩のまわりの筋肉をほぐすもの」です。これは「肩の可動域を広げる」と言い換えても同じことです。どちらであっても、筋肉は柔らかく伸びるようになり、その中を流れる血液の量も増えます。また、神経への圧迫もなくなりますから、「なんとなく重い感じがする」というのもなくなります。

即効性があるのはこちらのタイプのポーズ(アーサナ)です。

牛の顔のポーズ(ゴムカーサナ)

両足を前に出して座ります。右足を内側に曲げて、左足の上に載せます。右足と左足のヒザが重なった状態にしたまま、左足のヒザも曲げます。両足ともかかとはできるだけおしりに近づけます。

息を吐きながら、左手を上から、右手をしたから回し、背中で互いに指先を使って握ります。これを30秒ホールドしたら、今度は左右を換えて繰り返します。

もし、手が届かないようなら、タオルなどをつかんで両手が近づいた状態をホールドします。

背中は丸めずに、胸を開いた状態にするのがコツです。

下向きの犬のポーズ(アド・ムカ・シュヴァナーサナ)

最初に正座をし、そこから、足の指を立てます。上半身を前に出し、両手も伸ばします。顔は腕の間に入れます

ここから息を吐きながらおしりを持ち上げ、体全体で「へ」の時になるようにします。息を吸う・吐くを5回繰り返します。

視線は、足の指へ、下はらを引き締めるのがコツです。かかとは床につけたままにするのが理想的ですが、無理なら浮かせてもOKです。

ヨガのダウンドッグのポーズ、3つの効果と上手くできない時のコツ

立位の前屈のポーズ(ウッタナーサナ)

左右の足をまっすぐ前向きでそろえて、直立します。

状態を前に倒し、おなかと太ももをくっつけます。もし体が硬くて無理なら、ヒザを曲げてもOKです。そのヒザを曲げてでも、両手を床につけます。

そこから、両手で互いのひじを抱えるようにします。この状態で力を抜き、まるで上半身が腰からぶら下がっているように意識します。これで息を吸う・吐くの5呼吸をします。

鶴のポーズ(バカーサナ)

ヒザを伸ばした状態で、脚を前後に開いて立ちます。腕を伸ばした状態で、背中で組みます。この状態で、握っている拳が先導するような形で、背中を曲げていきます。

腕は後ろでしっかりと伸ばせば伸ばすほど、肩のまわりに効果があります。

猫のねじりのポーズ

四つんばいになります。ここから、 右腕を真っすぐに伸びた状態で、体の下を通すようにして左側に伸ばします。手のひら上向きです。左手は垂直に天井へと伸ばします。

右側の頭を床につけます。もし可能なら、ほおまでも床につけたほうが効果が高いです。

5呼吸したら、左右を換えて繰り返します。

動画でみる肩甲骨はがしのヨガ


座ったまま出来る☆肩甲骨はがし☆簡単!3分肩こり解消

首こりも解消できるヨガ

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ヨガで肩こりが悪化する?

肩こり解消のためにヨガをやっている人、または、メーンの目的ではなくても肩こり解消も期待している人も少なくないでしょう。しかし、必ずしも改善しないばかりか、悪化させてしまうこともあります。

理由①やり方が間違っている

これが最も起こりやすいのが、ダウンドッグのポーズです。手のひらと足の裏を床につけ、お尻を上に突き出すことで全身を「く」の字にするポーズです。よく知られている割には、腕の力が必要・特に太ももの裏やふくらはぎ、アキレス腱の柔軟性が必要といったことで、初心者には難しいです。

特に手のひらでしっかりと床を抑えることができず腕も曲がっているような場合、肩に無駄な力が入ります。これで肩こりを悪化させてしまうのです。

または、牛面のポーズも肩こりを悪化させがちです。床の上に座って、両脚は曲げてヒザの部分で上下にそろえ、片腕は上から反対側は下から後に回し、背中で両手をつなぎます。

「肩の可動域を広げ、肩こりにも効く」ということでは代表的なポーズです。ただ、スッキリと背中で両手をつなげることができるのは初心者には簡単ではありません。無理に引っ張ってしまい、肩周りの筋肉を傷つけたり、または無理をさせられたりした筋肉が反発して逆に硬くなってしまうようなことあります。伸張反射といいます。これが肩こりという症状で表れるのです。

無理に背中で両手をつなぐ必要はありません。タオルを持つなど工夫して、間が空いているなら空いているなりに両腕を引っ張る形にしましょう。

理由②もともとのトラブルを深刻化させた

肩こりは、肩の筋肉が固くなり、血液も流れにくくなっている状態です。しかし、これとは限りません。肩の筋肉、腱、骨・軟骨などがトラブルを起こしていて、それが痛みだけではなく肩こりとして感じている場合もあります。最もよくあるのが五十肩(四十肩)です。多くの場合加齢により肩を動かす範囲が狭まるのが原因です。または、肩の中にある筋肉・肩腱板が傷ついている肩腱板損傷、ほぼ同じ部分が炎症を起こしている肩腱鞘炎なども軽いものは肩こりと混同しがちです。

これらの場合、ヨガをやると症状を悪化させます。もちろん、まずはこれらのトラブルを解消するのが最優先です。

肩こりのときにおすすめのヨガポーズは?

肩こりがあまりにひどく、原因もわからないときは、肩にダメージを与えないポーズをしてまずは様子を見ましょう。もし可能であれば、おすすめはコブラのポーズです。

1.床の上にうつぶせになります。脚は肩幅ぐらい、両腕はそれぞれ胸の横に置き、手のひらを開いて床を押さえます。
2.息を吸いながら、手で床を押しながら上半身を起こします。
3.起こした状態を10-30秒保ち、その間は呼吸を繰り返します。
4.息を吐きながら上体を下ろします。

本来は腰痛や猫背の改善のためのポーズとして知られていますが、肩の周りのストレッチにもなり、肩のこりや痛みも和らぎます。

ヨガで首こりも解消する?

ヨガで肩こりは解消します。

悪化させる可能性があるとしたダウンドッグのポーズと牛面のポーズも肩こり解消の代表的なポーズです。これら以外ではワシのポーズ、閂(かんぬき)のポーズ、鋤(すき)のポーズなどもあります。本気で肩こりを治すのなら、取り組んでみましょう。もちろん、肩腱板損傷などのトラブルがない・正しいやり方をするなどが大前提です。

特に初心者には、ネコのポーズがおすすめです。いくつかバリエーションがありますが、最もシンプルなやり方は次のとおりです。この場合は、「キャット&カウのポーズ」と呼ぶこともあります。

1.四つん這いになります。手のひらを着く位置は肩の真下、ヒザも腰の真下に来るようにします。横から見ると、腕・太もも・背中で長方形を作ります。
2.息を吸いながら、目線を上に向け、背中も反らせます。
3.息を吐きながら背中を丸めます。目線はへそに向けます。
4.これを数回繰り返します。

特に肩甲骨の周りがほぐれるポーズとして知られています。

肩こりにはホットヨガがいい?

肩こりは現代人には深刻な問題です。特にパソコンやスマホの普及で超時間モニターを見つめ、目の疲れとともに肩の張りやこりを感じている人も多いでしょう。

もちろん、ほとんどのヨガのポーズは体の緊張を緩め、血行をよくすることで肩こりも改善してくれます。それに加え、肩こり解消に特に集中したレッスンを用意しているスタジオも少なくありません。

特にホットヨガは、高温・多湿の環境でポーズを取るので、筋肉や腱も伸びやすいです。また、その場にいるだけでも血液の流れがよくなります。これらの効果で肩の緊張も一気に解けるでしょう。

LAVA

 

LAVAではホットヨガの環境に加え、音や光でスタジオを演出しています。リラックス効果がいっそう高まります。

「肩こり改善ヨガ」として60分間のレッスンも用意されています。単にその時に抱えている肩こりを治すだけではなく、普段から肩がこりにくい体質に変えてくれます。姿勢やゆがみを直し、肩甲骨周りをしっかりと動かし、全身の血行もよくすることで実現します。

また、ヨガが全く初めてなら「ハタヨガビギナー」から始めるのもいいでしょう。やはり60分間のレッスンで基本的なポーズを学びながら、肩周りの筋肉もほぐしていきます。運動量もそれほど多くないのも、それまでほとんど体を動かしていなかった人向けです。こちらは体験レッスンとしても受け入れています。

→LAVA詳細

カルド

カルドではホットヨガの環境を作るのに、遠赤外床暖房を使っています。体の仲間で自然とポカポカしてきます。これだけでも肩のみならず全身の筋肉の緊張が解けるでしょう。もちろん、しっかりと汗がかけます。

レッスンとしても、「肩甲骨ヨガ」が用意されています。ほかのレッスンに比べ、もちろん肩甲骨への働きかけを多くしています。ただ、肩甲骨は背中や首筋などとも連動しています。また、肩甲骨周辺が軟らかくなると、肺の動きもスムーズになり、深い呼吸ができるようになります。効果は肩こり解消にとどまらず、基礎代謝がアップして太りにくい体作りにも役立つでしょう。

また、ほかには「姿勢改善ヨガ」「体質改善ヨガ」「骨盤コンディショニングヨガ」なども用意されています。これらのレッスンを受けることでも、肩こり改善につながります。

→カルド詳細

 

肩こりの基礎知識

肩こりとはどんな状態か

肩こりは人類の宿命

「人間が肩こりに悩むようになったのは直立歩行のせい」という話があります。

四つ足で歩いていれば、頭は前に出した状態なのに、直立することで首や肩に重みがかかるようになりました。しかも、「真っすぐに載せているので、もっと重みに耐えられる」と頭やその中にある脳が大きくなり、さらに首や肩の負担が増えています。

しかも、鎖骨や上腕骨、肩甲骨はしっかりとは背骨とはつながっていません。背骨とは主に筋肉でつながっているだけです。なので、肩のまわりの筋肉が首から上の重さを支えるような形になっています。

つまり、人間は上半身を立てているだけで、肩の筋肉に負担がかかり、こりやすい状態になっているのです。

これは腰も同じような状況です。やはり直立したことでかかる重みが増えています。「肩こりと腰痛は人類がもう一段進化しない限り解放されることはない」と指摘する専門家もいます。

肩こりは筋肉が血行障害を起こしている状態

「肩がこった」または「肩が張っている」という状況の体の中を調べてみると、筋肉が硬くなって、その中を通る血管を圧迫しています。これでは血液が流れてこずに、回復させるための栄養素も運ばれてきません。また、疲労物質である乳酸も運び去ることができません。

これでまた、筋肉が硬くなり乳酸も増え……といったように悪循環がおきています。

肩こりになる原因

・目の疲れ

肩こりだからといって、肩が直接関係しているものばかりではありません。特に多いのは目の疲れからくるものです。

目が疲れていると、目の周辺の筋肉が硬くなります。血液も流れにくくなります。目の下にある首や肩にも血液が回らなくなり、やはり筋肉が疲労し硬くなります。

また、パソコンでの作業や読書など目がつかれるようなことをしていると、多くの場合、同時に同じような姿勢を続けることになり、このことからも肩や首がこわばります。

・肉体労働

パソコンでの作業などで肩がこるのは、いわば現代的な肩こりパターンです。

それに対し、昔ながらのパターンが肉体労働です。「重いものを持つ」「腕を振り回すような作業をする」「体をかがめたままの状態になる」などです。

・寒さ

意外なことに寒さだけでも肩こりにつながります。寒いと、体は全身を縮こまらせることで体温をあげようとします。その場合、特に方の周辺に力が入りがちです。「首を縮こまらせる」「肩をすぼめる」が寒さに対する典型的な動作であることを思い出せば、これは納得がいくでしょう。

その結果、筋肉も縮こまり、そのままになってしまうのです。

・ストレス

ストレスはいろいろな形で身体に悪影響を与えます。また、そのメカニズムも複雑です。

例えば、「ストレスが自律神経を乱し、肩の周囲の血行を悪くする」がひとつのパターンです。または、「ストレスで体も緊張し、その体の一部である肩に特に力が入ってしまう」というパターンもあります。

・神経のトラブル

特に肩こりが慢性化し、片頭痛まで伴っているようなら、神経がダメージを受け、過敏に反応している状態が疑われます。

まとめ

意外と普段やっているストレッチがヨガのポーズに近いですね。肩こりは日頃から体を柔軟にして予防することも大切です。

簡単に時間もかけないでできるヨガのポーズを覚えて、快適な肩こり、首狐狸のレスの生活をゲットしましょう。