ヨガを始めようかと考えているときに、ほかの選択肢としてピラティスが気になる人もいるでしょう。「ほとんど同じようなもの」と考えてしまう人もいるかもしれません。ですが、詳細に見るとやはり違いはあります。

ピラティスとは

ピラティスが考え出されたのは1920年代です。正確には「ピラティス・メソッド」といいます。第一次世界大戦の負傷者兵のリハビリために、従軍看護師だったヨゼフ・ピラティスが始めました。ヨゼフはドイツ人で、ピラティス・メソッドの原型を始めたのもドイツでです。1926年にアメリカに渡り、いっそうピラティス・メソッドを発展させます。

このピラティス・メソッドを工夫する中で、ヨゼフはヨガや太極拳まで参考にし、一部を採り入れています。ですから、似ているのも無理はないところです。

日本で広がり始めたのは2005年ごろです。
健康や美容を目的とした現代ヨガがアメリカから日本に入ってきたのと同じような時期かやや遅れるぐらいです。

ピラティスの効果

ピラティスの効果として真っ先に挙げていいのが、「筋肉の緊張がほぐれ、関節も柔らかくなる」「体幹が鍛えられる」という点です。

それ以外にいろいろと、ピラティスの効果として紹介されているかもしれませんが、ほとんどはこの結果として表れるものです。それには次のようなものがあります。

・姿勢がよくなる
・腰痛が改善する
・肩や首のコリがほぐれる
・やせる

また、これらも互いに影響しあっています。

たとえば、「やせる」なら、姿勢がよくなることで、内臓の位置も正しいところに戻り、中を通る血液やリンパ液もスムーズに流れるようになります。体中が細胞も栄養素をしっかり受け取ることができるようになって活動が盛んになります。この結果、カロリーの消費が増え、やせるわけです。

人によっては、ストレスが解消し、自律神経が整い、ホルモンバランスがよくなることでの痩身効果もあるでしょう。

また、肩や首のコリがほぐれるのは、筋肉の緊張が解かれることだけが理由ではありません。血液やリンパの流れがよくなって筋肉の中にある老廃物が取り除かれるようになることでの影響もあります。

ピラティスのやり方

ピラティスにもたくさんのポーズがあります。いずれも、どの筋肉や体の部位をターゲットにしているか比較的はっきりしています。まずは、自分の目的に直接合っているものから始めるようにしましょう。

実際にポーズを取るときには、「どの筋肉を伸ばすようにしているか」を強く意識することで効果がいっそうアップします。たとえば、「太ももの前の部分を伸ばしている」「腰のわきの筋肉を横にねじっている」といった具合です。どのタイミングで息を吸うか・吐くかといった呼吸法も大事です。

また、左右で動きの違うポーズは必ず、その左右を入れ替えて繰り返すようにします。というのは、ピラティスの目的には、「身体の左右のアンバランスを整える」という目的もあるからです。得意なサイドばかり繰り返していると、そのアンバランスをいっそう大きなものにしてしまいます。もし、左右で明らかな違いが感じられるのなら、不得意な方を重点的にやるのはOKです。

また、無理は禁物です。初心者は初心者向けのポーズから始めるようにしましょう。上級者向けをやってもうまくポーズが取れず、効果もそれほど上がりません。それだけで済めばまだしも、筋肉や腱を傷める可能性も高くなります。

ノウハウ本やDVDを買って、自分一人で試してみようという人もいるかもしれません。しかし、最初の短い期間だけでもスタジオに通うのがおすすめです。というのは、どんなポーズも姿勢や動きにちょっとしたポイントがいくつもあり、間違っていても自分自身では気が付きにくいからです。やはり我流の方法に頼らず、インストラクターの指導を受け、ポーズのチェックもしてもらったほうが上達が早いでしょう。

初心者向けのピラティス

ピラティスの初心者向けのポーズには次のようなものがあります。いずれも体の奥で姿勢を支えている筋肉・インナーマッスルが鍛えられます。

シングル・レッグサークル

・ヒザを立てた状態で仰向けになります。
・片足を天井に伸ばし、足の先で時計回りに円を描きます。
・このとき、回し初めの半分で息を吸い、残りの半分で息を吐きます。
・5回程度繰り返したら、回転の方向を変え、半時計回りにします。
・さらに足の左右を入れ替えて、これらを繰り返します。

ロール・アップ

・脚は伸ばし、両手を肩幅ぐらいにして両腕も頭の先に伸ばして、床の上に仰向けになります。
・ヒジを伸ばしたまま、腕を上げていきます。
・腕が真上に来たぐらいのところから、背中を浮かせていきます。首はピンと伸ばした状態を維持しましょう。
・上半身が起きたら、そこからは腕は水平を保ったまま、軽く前屈します。
・逆の動きで、最初の一文字に伸びた状態まで戻します。

ローリング・ライク・ア・ボール

・上半身は起こし、ヒザを曲げて床の上に座ります。いわゆる体育座りの状態です。
・上半身をやや後に反らせると同時に、背中を丸めます。
・両腕を足首の上辺りに横から添え、足は宙に浮かせます。目線はヒザに向けます。
・腹筋に力を入れてこの形を崩さないようにし、後に転がります。息を吸いながら行います。
・肩甲骨が床に当たったら、息を吸いながら前へと戻し、足が浮いている状態まで戻します。これは息を吐きながらです。
・できるだけ動きがスムーズになるように気をつけながら、この動きを繰り返します。

ピラティスとヨガはここが違う

目的

ピラティス・メソッドは、じっくりとした動きをしたり、ポーズを維持することで、特に深層にある筋肉であるインナーマッスルの機能を回復させることを目的としています。

この効果によって、ケガを防止し、プロポーションを整えるのです。

一方のヨガはたくさんの流派があって、その流派ごとの違いが大きすぎて、「ピラティスとの違いはここだ」と指摘するのは難しいです。

ただ、日本で美容や健康のために行われているのは、エアロビクスの影響を受けた陽ヨガが主流です。これとの違いでなら、次のようなものは「陽ヨガにはあるが、ピラティス・メソッドにはない」といえます。

・リズミカルな動き
・汗を流すことでのデトックス
・筋肉を動かすことでのストレス解消
・瞑想による精神の集中

呼吸法

先程申し上げたように、ピラティス・メソッドはヨガを参考にしています。同じようなポーズや動きがあるのも無理はありません。

ですが、たとえ一見同じポーズや動きでもはっきりと違う点があります。呼吸です。ピラティスは胸を思いっきりふくらませる胸式呼吸ですが、ヨガの場合はおなかをへこませたりふくらませる腹式呼吸です。

実はここからもピラティス・メソッドとヨガの目的の違いがわかります。

内蔵や血管など自分の意思では動かせない部分をコントロールする神経を自律神経といいます。この自律神経は交感神経と副交感神経のふたつがあり、それぞれアクセル役とブレーキ役になっています。

胸式呼吸は交感神経を優位にさせ、心身の働きを活発化させます。腹式呼吸の方は副交感神経の動きが優位になるように働きかけ、心身をリラックスに向かわせます。つまり、「ピラティス・メソッドは心身を活発化させ、ヨガはリラックスさせる」といえます。

「ピラティス・メソッドとヨガのどちらを選んだほうがいいか」を考えるにも、こういった目的の違いを意識するようにしましょう。

ピラティスとヨガ、向き不向きは?

ピラティスがおすすめなのは、「体の柔軟性はあるのだけども、筋肉の量が少ない」という人です。

ヨガにはいろいろな流派があって、目的もやっている内容も様々です。しかし、多くは身体の柔軟性を高めることを最優先にしています。初心者向けに行われているものは特にそうです。一方のピラティスは、体幹を鍛えることを目的の大きな柱のひとつにしています。筋肉がつくのはピラティスの方でしょう。

ただし、「体を動かしたい。汗もしっかりとかきたい」とエクササイズの代わりになるものを考えているのなら、エアロビクスの影響を強く受け次々にポーズを変えていくヴィンヤサヨガのようなものもあります。または、「筋肉トレーニングの効果重視。腕や足にもしっかりと筋肉をつけたい」というのならパワーヨガがあります。

ある程度のレベルに達した後ですが、もしはっきりとした目的があって、それに合った流派のものがあるのなら、ヨガのほうが満足感は高いでしょう。

また、ヨガをやる場合に好き嫌いが分かれるのが、精神性です。ヨガの起原がインドの哲学にあることの影響がまだ残っているのです。これも流派によって違いがあるものの、「瞑想を行うことでリラックスする。交感神経も整えることができる」といったように強調されることが多いです。もし、あまり意味がないように感じるようなら、ピラティスを選んだほうがいいでしょう。

ヨガとピラティス 両方やるのはどう?

ヨガとピラティスの両方を同時期にやることは全く問題ありません。実際スタジオのなかには、ヨガのレッスンとピラティスのレッスンの両方を用意していて、どちらでも受けられるようにしているところも珍しくありません。

また、特にヨガを実践していて中級・上級まで進んでいる人は、時折ピラティスもやってみるといいでしょう。というのは、ピラティスはもともと美容や健康のためではなく、戦傷者の体の機能回復のために始められたため、今でもリハビリ効果が高いです。

ヨガの難しいポーズをこなしていると、知らず知らずのうちに心身ともに煮詰まってしまうことがあります。そんなときにピラティスは心身の緊張を優しくほぐしてくれるでしょう。

ピラティスとヨガどっちがやせる?

「ピラティスとヨガのどちらがやせるか。ダイエットの手助けになるか」は大きな関心事でしょう。答えは「肥満の理由は人によって様々。なので、どちらがいいかは人によって違う。また、ヨガを全部ひとくくりにして考えていはいけない。選ぶヨガの流派によっても異なる」です。

もし、体幹が弱くて姿勢の悪くなり、血液・リンパの流れが滞って肥満がおきているのなら、ヨガのどんな流派よりも最適でしょう。そうではなくて、運動不足が原因なら、動きの激しい流派のヨガを選んで高い頻度でレッスンを受けることも考えられます。

ただし、ピラティス・ヨガのどちらを選んでも、どの流派のヨガを選んでも、すぐには体脂肪が減るわけではないことは注意しておきましょう。変化が出るまでには3カ月はそこらはかかります。

また、「血行がよくなる」「カロリーが消費できる」といった効果は、どれを選んでもある程度のレベルは実現できます。なので、もしかしたら、最もやせるピラティスやヨガの種類は、「自分との相性がよいために、長続きするもの」ということになるかもしれません。

 

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