猫のポーズ(マールジャーラ・アーサナ)は、実際の猫の動きにとても近いので、イメージしやすいヨガポーズです。

でも効率よく上半身を伸ばしてくれるので効果抜群!「猫のポーズ」は実際の猫の動きそのままなので、もし、やり方を迷うようなら、猫をちょっと観察してみましょう。

正しい猫のポーズのやり方

動画で確認

1.初めに四つんばいになります。両手を肩幅ぐらいに開き、まっすぐに床に下ろします。両脚も肩幅ぐらいに開きますが、床につくヒザの位置はやや後ろめです。足の甲は下に向け、スネなどとともに床につけます。目線は自然と下に向けます。

2.息を吸いながら、背中を丸めます。背中の真ん中を天井に突き出すような感じにすればうまくできるでしょう。背骨が曲がるに連れ、頭も下向きになるはずです。ただし、アゴは胸からな離れた状態を保ちます。頭は最後は両腕の中に入れ、へそを見るようにします。

3.息を吸いながら、最初の四つんばいの位置まで戻します。

猫のポーズとセットになるもの

先に挙げた「正しい猫のポーズのとり方」の1、2、3でもひとつのアーサナになります。

これにもうひとつ動作を加えることも多いです。

キャット&カウのポーズ(猫と牛のポーズ)

4.四つんばいになったところから、今度は息を吸いながらおしりを突き出し、頭も上に持ち上げます。背骨はそらした状態にします。

この4が加わることで、「キャット&カウのポーズ」ということになります。

猫の伸びのポーズ

4.四つんばいになったところから、手のひらをつけていた位置に、今度はヒジを置きます。

5.息を吐きながら、両腕、両ヒジを前にスライドさせいきます。

6.最後、両腕はバンザイするような状態にまで持っていきます。と同時に、胸を床に近づけます。顔は伏せた状態ですが、額かアゴのどちらかを床につけます。

7.息を吸いながら元に戻します

蓮華坐で猫のポーズ

猫のポーズにはいくつものバリエーションがあります。脚の形を工夫することで、足の筋肉へも効果を増大することができます。

たとえば、蓮華座です。この蓮華座の場合は、骨盤の筋肉や腱もしっかりと伸びるので、特におすすめです。

1.まず、左足を真っ直ぐに伸ばし、その付け根付近の太ももの上に右足を載せます。できるだけ引き寄せるようにしましょう。背中はピンと伸ばします。

2.その状態で、すね同士を交差させながら、左足を右足の太ももに載せます。やはりできるだけ引き寄せます。これで蓮華座が完成です。

3.普通の猫のポーズ同様に四つんばいになります。ただし、今度は蓮華座を崩さないままなので、床についているのひざだけで、つま先や足の裏は浮かせることになります。

4.あとは普通の猫のポーズと同じです。また、一連の動作が終わったら、今度は脚の左右を入れ替えて繰り返しましょう。

この蓮華座が苦しい人もいるでしょう。その場合は、片足だけを太ももの上に載せる半蓮華座でやりましょう。

猫のポーズの呼吸法のポイント

ヨガはほとんどのポーズが息を吸う・吐くのタイミングや力強さがポイントになります。なかでもこの猫のポーズはそうです。

息を吸いながら背中を丸めたあとは、そこから息を吐きながら、さらに腰・背中・首を個別に意識してさらに丸めます。背中に重いものを載せて、それを上へと押し上げるよう気分でやれば、うまくいくでしょう。

これが完成したら、その状態で30秒キープします。この間は自然呼吸でOKです。

猫のポーズの効果は?


背骨の周辺へのストレッチ効果があります。このことから直接的には、猫背の解消につながります。

また、胃や子宮など、内臓へ刺激を与えることになりますから、これらのトラブルの改善も期待できます。特に胃は働きが盛んになりますので、「胃が重い」「消化不良気味で、おなかがはっている」といった人におすすめです。

副交感神経の働きが盛んにもなりますので、ストレス解消にも役に立ちます。気分が沈んでいる人は前向きになり、イライラするなど神経が過敏になっている人も落ち着きが取り戻せます。

猫のポーズで痩せる?

猫のポーズで痩せる理由はたくさんあります。

そのうちのひとつを挙げると、おなかに力を入れて引っ込ませる刺激で、副腎が刺激され、ホルモンが盛んに分泌されるようになるという点です。

これで血流がよくなるなど、体の中の脂肪を燃焼させるスイッチがあちこちで入ります。「血流がよくなる → 栄養をたくさん受け取るので、細胞活動が盛んになる → エネルギーの消費量が増える → 体脂肪が消費される」といったことが起こるのです。

また、背骨や腰回りの筋肉が鍛えられることで、姿勢がよくなります。実は「姿勢が悪いせいで、内臓の位置もずれ、その中にある血管やリンパ管が圧迫される」ということで、新陳代謝が低下している人もいるのです。姿勢がよくなると痩せるのも、やはり「血行がよくなる」ということが関係しています。

猫のポーズで腰痛が治る?

猫のポーズでは、腰付近の筋肉を伸ばすことになります。また、体の奥深くにあるインナーマッスルのうちの腹横筋が鍛えられます。

この腹横筋は内臓や骨盤から見てもっとも近くにある筋肉です。「体の中にあるコルセット」と呼ぶ人もいるぐらいです。これがしっかりとすると、背骨も安定し、腰椎や椎間板への負担も減ります。いずれも直接的に腰痛を緩和することになります。

また、ウエスト周りも引き締まりますから、スタイルも良くなります。

 

猫のポーズ で肩甲骨を伸ばし肩こり解消!

肩こりが解消するのは、背中を反らせる「キャット&カウのポーズ」までやった場合です。

日常生活の中では、腕を動かすことはあっても、この付近の筋肉は意外に動かしていません。キャット&カウのポーズで背中を丸めたり、反らしたりすることで、肩甲骨の周りの筋肉を動かすことになります。

また、これまで何度か申し上げてきたように、姿勢がよくなりますので、この面からも肩こりの解消になります。また、血流もよくなりますので、これもまた筋肉の張りを解消し、肩こりの緩和につながります。

猫のポーズで便秘も良くなる?

猫のポーズで便秘が解消する理由は主なものだけでも、

「自律神経が整う」

「胃腸を刺激する」

「腸の周りの筋肉が強化されるので、便を押し出す力が強くなる」

などがあります。

「刺激」や「筋肉」については、何度も話が出ていますので、ここでは自律神経に注目します。

自律神経とは、「自分の意志とは関係なく、24時間休まずに動き続ける」という神経です。この自律神経には、活動を進める交感神経と、活動を休ませる副交感神経があります。

腸の動きもこれら交感神経と副交感神経に支配されています。腸に関していえば、副交感神経が優位なときのほうがスムーズに働きます

ヨガ、中でもヨガの呼吸方法は副交感神経を優位にする働きがあります。これで便秘も軽くなるのです。

猫のポーズでおならを出してガス抜き!

ヨガのポーズの中には、特に「ガス抜きのポーズ」として知られているものがあります。「お腹の中にたまったガスをおならとして出してしまうポーズ」というわけです。猫のポーズと猫の伸びのポーズはそれらの代表です。

どちらもお腹を水平にしたり斜めにしたりするので、内臓も揺り動かされます。これで刺激された腸の活動が盛んになります。どちらかのポーズをするだけでも効果を期待できるものの、両方を交互に繰り返すことで一層パワーアップします。

どのガス抜きのポーズをするときも大事なのは呼吸です。ヨガの大原則に従って、腹式呼吸を強く意識しましょう。特にガス抜きが目的なら、吸う時よりも吐く方にポイントがあります。長めに時間をかけて、しっかりと最後まで息を出し切ります

こうすることで、内臓がさらに刺激されるだけではなく、自律神経が正常化します。自律神経は交感神経と副交感神経のバランスで成り立っていて、この呼吸により胃腸の働きをコントロールしている副交感神経が優位になります。なので、単に「ガスがたまってお腹が苦しい」だけではなく、便秘に悩んでいる人も猫のポーズなどのガス抜きのポーズは見逃せません。

痛い!こんな人はやめておきましょう

首への負担がややあることから、首筋や肩にトラブルのある人は、無理に頭を内側に入れる必要はありません。まっすぐに首を伸ばした状態でやるようにしましょう。

猫のポーズはインナーマッスルを鍛え、腰痛の改善にもつながります。とはいえ、無理は禁物です。腰痛がひどい場合は炎症が治まるまではやめておいたほうがいいでしょう。

猫のポーズが上手くできない時は?

普段背中や腰を伸ばしていない人は、基本的な猫のポーズでもできない場合があります。

普段使わない筋肉を急に伸ばそうとすると、逆に筋肉を傷めることになります。少しづつ体を慣らしながら伸ばしていきましょう。

また、背骨がうまくカーブを描かない場合は、だれかに背中の真ん中に手を置いてもらい、そこへの意識が強くなるようにします。

 

猫のポーズをやるのにおすすめの時間帯

どんなヨガのポーズでも同じですが、食後の胃が重たくなっているときや、入浴後の筋肉が柔らかくなりすぎているときは避けましょう。それ以外ならどんな時間帯にやってもOKです。です。

ただし、猫のポーズやそれと組み合わせたポーズに体脂肪を解消する痩身効果を期待するのであれば、寝る1時間か2時間前に5~10セット程度やるといいでしょう。

睡眠中の成長ホルモンの分泌が盛んになりますので、カロリー消費の量が増えます。また、美肌効果もあります。

まとめ

ヨガのポーズの中には、初心者には難しいものも少なくありません。そうできるように努力することにも意味があります。また、「できない」ということが、「自分の体の中にどういったトラブルがあるか」を気づかせてもくれます。

とはいえ、できないものばかりではヨガへのモチベーションが下がってしまう人もいるでしょう。そうなりそうな人におすすめなのが、「猫のポーズ」です。

ほかにもヨガには「上向きの犬のポーズ」「コブラのポーズ」など動物にちなんで名前がつけられたポーズがたくさんあります。これらは単に「そうイメージさせる」といったものばかりですが、「猫のポーズ」は猫の動きにとても近いので、マスターもしやすいですね。


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